サッカーに関する移籍・引退・試合結果など

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      掲載元:海外サッカー - Number Web - ナンバー
      URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/865538

      Jリーグ移籍は「発展に役立つ」 元助っ人が日本時代を回想「試合に出るのはとても難しい」

       コンサドーレ札幌(2017-2020年)、川崎フロンターレ(2022-23年)でプレーしたタイ代表MFチャナティップ・ソングラシン(パトゥム・ユナイテッド)が日本でのキャリアについて「試合に出るのはとても難しい」とタイ人選手の日本でのプレーについて語った。「Ballthai.com」が報じている。
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      「タイのメッシ」とも称され、若くしてタイ代表の中心選手として活躍してきたチャナティップ。2017年に札幌に加入し、川崎を退団する2023年まで7シーズンにわたってJリーグで活躍。チャナティップの存在をきっかけにタイ人選手のJリーグ移籍の流れは加速し、現在もスパチョーク・サラチャート(札幌)、ジャルンサック・ウォンコーン(セレッソ大阪)、エカニット・パンヤ(愛媛FC)といったタイ人選手が日本でプレーしている。
       チャナティップは「今、日本に行くのは以前よりも簡単になりました。でも、試合に出るのはとても難しい。なぜなら競争がより激しくなっている」と話す。自身の経験も踏まえたうえで「特に一人で生活する場合は孤独を感じ、自分自身と戦わなければならない。試合の時にはソーシャルメディアの世界にも対応しなければならない」と異国の地で戦う難しさについて言及していた。
       さらに、チャナティップは若い選手の日本への移籍は「ポジティブ」だと話す。欧州へ移籍する日本人選手が増え、日本代表が大きくレベルアップしたように、「タイの選手がもっとたくさん日本へ行き、戻ってきた時により広い視点を持つことができれば、タイのサッカーの発展に役立つはずだ」と語った。
       また、チャナティップは今季9年ぶりにJ2へ降格した古巣札幌に対して「チームとスパチョークとサポーターを応援している。どんなに悪い状況でもファンは常にチームを支えてくれる。ファンの応援がクラブのカルチャーなんだ」とエールを送っていた。


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      URL:https://www.football-zone.net/archives/591044

      プレミア昇格間近…28歳日本人が掴んだ立ち位置 サッカー人生最大の3試合へ「一生残ると思う」

       チームに2点目が生まれると、コベントリーの坂元達裕は走っていた足を止め、センターサークル付近でピッチに膝をついた。続いて、両手で顔を覆うような仕草。感極まって涙しているかのように見えた。
       5月3日のチャンピオシップ(2部)最終節ミドルズブラ戦(2-0)、後半42分の一場面。ホームでの直接対決も終盤、プレミアリーグ昇格争いのライバルから追加点を奪い、コベントリーのプレーオフ(3~6位)進出が、ほぼ確実となった瞬間の出来事だった(最終順位は5位)。
       移籍1年目の昨季、坂元は、第34節で腰椎の横突起骨折という大怪我に見舞われた。今季は、開幕から戦線に復帰したが、9位に終わった昨季以上が期待されるチームは、序盤戦で下位に低迷。昨年11月には監督交代を見た。後任は、指揮官としての実績面で疑問符が付いていたフランク・ランパード。そのなかで辿り着いた、プレーオフ出場圏だった。
       試合後、ミックスゾーンのない2部の会場で、メディア控え室の丸テーブルに腰を下ろした坂元が、静かな口調で振り返ってくれた。
      「去年、最後の期間に怪我をしてしまって、チームに貢献できなくなった悔しさもありましたし、今シーズン、上手くいくこともあったなかで、最後に少し失速してしまい、落とせないゲームを(過去)2試合落として追い込まれた状態だったので、もう何としてでも勝ちたいという思いが強かった。後半、いつ失点してもおかしくないような展開だったので、そこで2点目を決めてくれたことが本当に嬉しくて、ああいう形になりました」
       コーナーフラッグ付近で追加点を祝う、チームメイトたちの輪に加わることはできなかった。だが、その状況が坂元の貢献を物語ってもいる。
       トップ下のジャック・ルドニが締め括った攻撃は、自軍ゴール前から運ばれたボールが、13秒後には相手ゴールのネットを揺らす速攻だった。4-2-3-1システムの右ウイングで先発していた坂元は、自陣内深くでの守備から戻る途中だったのだ。「間違いなく、僕はハードワークできるので、そこは凄く評価してくれていると思います」と、本人も言う。
       現役当時、センターハーフにして歴代6位のプレミア得点数(177)を記録しているランパードだが、監督としては、何よりもハードワークを選手に求める。キャリア5度目の就任先でも、最も目立つチームの変化は、オフ・ザ・ボールでの連動、判断、徹底、そして激しさなどにあると見受けられた。
      「守備の意識は、間違いなくチーム全体として上がっています。監督は、攻撃の選手だったかもしれないですけど、守備にはすごく気を遣う。微妙な立ち位置であったりとか、プレスに行くと見せる姿勢だったりとか、凄く細かい部分で指示を出してくれる。細かいところが修正されて(チームが)良くなったと思うんですけど、守備のところ、いつスイッチを入れるかとか、そういった点をはっきりできたことが大きかったかもしれないですね。
       このチームだと結構、僕を含めてウイングの選手が守備のスイッチを入れるところが多くて、守備の流れとして凄く大事な部分になっていると思うので、それはかなり求められています」
       もちろん、今季リーグ戦での平均ポゼッションでもトップ6につけているように(54.3%)、ランパード体制の基本姿勢はボールを持って攻めるスタイルにある。その攻撃に関して、坂元は「監督と話をした」とも言っている。実質的な初陣となった第19節ミルウォール戦、2列目右サイドで95分間をこなし、監督交代後の初勝利(1-0)に貢献したあとに言っていた。
      「前節は、なかなか僕の長所を伝えられてなくて。トップ下気味の位置に入った後半、少しボールを触れなかった部分もあったので、(右SBの)ミラン(・ファン・エバイク)と一緒に監督と話しに行って、僕はサイドがやりたい、そこからクロスだったり、ドリブルだったりが自分の長所だと伝えたんです。どこのポジションでも、やるべきことはやらなきゃいけないわけですけど、僕自身が一番輝けるのは、このポジションかなと思っているので」
       それから約5か月、この日の坂元は右ウイングで実際に輝きを放っていた。前半4分、チーム1本目のシュートが生まれた攻撃からファン・エバイクとの縦のコンビで絡み、その2分後には、自らボックス内へ。さらに3分後には、鋭い切り返しでマークをかわしてから、低弾道クロスで絶好機を演出している。満員のホーム観衆がチャントで讃えていたとおり、「サカモトがウイングでボールを持てば得点の予感がする」というシーンが、立ち上がりから繰り返された。
       そして当人が、その綺麗な目で改めて筆者の目を見ながら、少しだけ声を大きくして「本当に僕にとっても、チームにとっても凄く大きい得点だった」と語った、先制点のアシスト。前半44分、得意の切り返しから、コースもスピードも絶妙のクロスをルドニの頭に届けた。
      「最初から結構、僕のほうでボールを受けられる場面が多くて、チャンスも作れていたので、身体のフィーリングも凄く良かったですし、いけるなって思っているなかで、前半終了間際の大事な時間帯にボールを受けて、普通に仕掛けてアシストができた」
       ランパード体制下での坂元は、基本システムでの右ウイングはもちろん、オプションとなる3-4-2-1でのシャドー役でも、先発レギュラーと化している。監督交代後にトップ下起用が増えたルドニとの呼吸は、ピンポイントのクロスが示すとおり。勝利後のピッチ上で、ふざけて水をかようとしたファン・エバイクと抱き合って喜んでいた様子を見ても、チームメイトたちとは非常に息が合っている。ひと月ほど前には、再来年夏までの契約延長も実現。移籍2年目にして、「コベントリーの坂元、ここにあり」といった状況だと思える。
       もっとも、当人は至って冷静だ。
      「シーズンのなかで、上手くいった試合もあれば、上手くいかなかった試合もあって、個人的な結果に関しては全然満足してないですし、負けた過去2試合も、勢いがあるチームに対して僕ができることが少なくて。シーズンを通じて、なかなか難しい試合が多かった。とにかく、プレーオフに出るという目標の第1段階は叶ったので、あとはもう2試合、3試合勝って、プレミアに行くだけが全てだと思います。
       僕は今年(10月で)29歳になるので、こういうチャンスはなかなかないと思いますし、今、こういう素晴らしい時間を過ごせているのは本当に幸せなことだと思うので、それを噛み締めながら、ここから数試合をやっていきたいですね」
       その数試合とは、4位でシーズンを終えたサンダーランドとのプレーオフでの2試合と、ウェンブリー・スタジアムが舞台となる決勝戦。プレミア昇格を懸けた残り試合を、「僕のサッカー人生の中でも、間違いなく大きな3試合になる」と、坂元は表現する。そして、穏やかな口調ながらも、きりっとした表情で続けた。
      「毎試合、僕は自分のサッカー人生を懸けて試合をするっていうふうに意識していますけど、より一層、ここから3試合は自分にとって一生(の記憶)に残るような試合になると思うので、シンプルにすごく楽しみですし、とにかく勝ちに貢献したい。その思いが強いです」
       前回、本コラムで坂元に触れたのは、彼が28歳になった当日の試合後だった。その原稿を「コベントリーのキーマンとしての坂本が誕生する日も遠くはないはずだ」と結んだのだが、その日は、今季のプレーオフ出場権を勝ち取る過程で、すでに訪れたと言える。そして目指すは、「プレミアの坂元」誕生の日だ。


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      掲載元:FOOTBALL ZONE/フットボールゾーンFOOTBALL ZONE/フットボールゾーン
      URL:https://www.football-zone.net/archives/591047

      プレミア昇格間近…28歳日本人が掴んだ立ち位置 サッカー人生最大の3試合へ「一生残ると思う」

       チームに2点目が生まれると、コベントリーの坂元達裕は走っていた足を止め、センターサークル付近でピッチに膝をついた。続いて、両手で顔を覆うような仕草。感極まって涙しているかのように見えた。
       5月3日のチャンピオシップ(2部)最終節ミドルズブラ戦(2-0)、後半42分の一場面。ホームでの直接対決も終盤、プレミアリーグ昇格争いのライバルから追加点を奪い、コベントリーのプレーオフ(3~6位)進出が、ほぼ確実となった瞬間の出来事だった(最終順位は5位)。
       移籍1年目の昨季、坂元は、第34節で腰椎の横突起骨折という大怪我に見舞われた。今季は、開幕から戦線に復帰したが、9位に終わった昨季以上が期待されるチームは、序盤戦で下位に低迷。昨年11月には監督交代を見た。後任は、指揮官としての実績面で疑問符が付いていたフランク・ランパード。そのなかで辿り着いた、プレーオフ出場圏だった。
       試合後、ミックスゾーンのない2部の会場で、メディア控え室の丸テーブルに腰を下ろした坂元が、静かな口調で振り返ってくれた。
      「去年、最後の期間に怪我をしてしまって、チームに貢献できなくなった悔しさもありましたし、今シーズン、上手くいくこともあったなかで、最後に少し失速してしまい、落とせないゲームを(過去)2試合落として追い込まれた状態だったので、もう何としてでも勝ちたいという思いが強かった。後半、いつ失点してもおかしくないような展開だったので、そこで2点目を決めてくれたことが本当に嬉しくて、ああいう形になりました」
       コーナーフラッグ付近で追加点を祝う、チームメイトたちの輪に加わることはできなかった。だが、その状況が坂元の貢献を物語ってもいる。
       トップ下のジャック・ルドニが締め括った攻撃は、自軍ゴール前から運ばれたボールが、13秒後には相手ゴールのネットを揺らす速攻だった。4-2-3-1システムの右ウイングで先発していた坂元は、自陣内深くでの守備から戻る途中だったのだ。「間違いなく、僕はハードワークできるので、そこは凄く評価してくれていると思います」と、本人も言う。
       現役当時、センターハーフにして歴代6位のプレミア得点数(177)を記録しているランパードだが、監督としては、何よりもハードワークを選手に求める。キャリア5度目の就任先でも、最も目立つチームの変化は、オフ・ザ・ボールでの連動、判断、徹底、そして激しさなどにあると見受けられた。
      「守備の意識は、間違いなくチーム全体として上がっています。監督は、攻撃の選手だったかもしれないですけど、守備にはすごく気を遣う。微妙な立ち位置であったりとか、プレスに行くと見せる姿勢だったりとか、凄く細かい部分で指示を出してくれる。細かいところが修正されて(チームが)良くなったと思うんですけど、守備のところ、いつスイッチを入れるかとか、そういった点をはっきりできたことが大きかったかもしれないですね。
       このチームだと結構、僕を含めてウイングの選手が守備のスイッチを入れるところが多くて、守備の流れとして凄く大事な部分になっていると思うので、それはかなり求められています」
       もちろん、今季リーグ戦での平均ポゼッションでもトップ6につけているように(54.3%)、ランパード体制の基本姿勢はボールを持って攻めるスタイルにある。その攻撃に関して、坂元は「監督と話をした」とも言っている。実質的な初陣となった第19節ミルウォール戦、2列目右サイドで95分間をこなし、監督交代後の初勝利(1-0)に貢献したあとに言っていた。
      「前節は、なかなか僕の長所を伝えられてなくて。トップ下気味の位置に入った後半、少しボールを触れなかった部分もあったので、(右SBの)ミラン(・ファン・エバイク)と一緒に監督と話しに行って、僕はサイドがやりたい、そこからクロスだったり、ドリブルだったりが自分の長所だと伝えたんです。どこのポジションでも、やるべきことはやらなきゃいけないわけですけど、僕自身が一番輝けるのは、このポジションかなと思っているので」
       それから約5か月、この日の坂元は右ウイングで実際に輝きを放っていた。前半4分、チーム1本目のシュートが生まれた攻撃からファン・エバイクとの縦のコンビで絡み、その2分後には、自らボックス内へ。さらに3分後には、鋭い切り返しでマークをかわしてから、低弾道クロスで絶好機を演出している。満員のホーム観衆がチャントで讃えていたとおり、「サカモトがウイングでボールを持てば得点の予感がする」というシーンが、立ち上がりから繰り返された。
       そして当人が、その綺麗な目で改めて筆者の目を見ながら、少しだけ声を大きくして「本当に僕にとっても、チームにとっても凄く大きい得点だった」と語った、先制点のアシスト。前半44分、得意の切り返しから、コースもスピードも絶妙のクロスをルドニの頭に届けた。
      「最初から結構、僕のほうでボールを受けられる場面が多くて、チャンスも作れていたので、身体のフィーリングも凄く良かったですし、いけるなって思っているなかで、前半終了間際の大事な時間帯にボールを受けて、普通に仕掛けてアシストができた」
       ランパード体制下での坂元は、基本システムでの右ウイングはもちろん、オプションとなる3-4-2-1でのシャドー役でも、先発レギュラーと化している。監督交代後にトップ下起用が増えたルドニとの呼吸は、ピンポイントのクロスが示すとおり。勝利後のピッチ上で、ふざけて水をかようとしたファン・エバイクと抱き合って喜んでいた様子を見ても、チームメイトたちとは非常に息が合っている。ひと月ほど前には、再来年夏までの契約延長も実現。移籍2年目にして、「コベントリーの坂元、ここにあり」といった状況だと思える。
       もっとも、当人は至って冷静だ。
      「シーズンのなかで、上手くいった試合もあれば、上手くいかなかった試合もあって、個人的な結果に関しては全然満足してないですし、負けた過去2試合も、勢いがあるチームに対して僕ができることが少なくて。シーズンを通じて、なかなか難しい試合が多かった。とにかく、プレーオフに出るという目標の第1段階は叶ったので、あとはもう2試合、3試合勝って、プレミアに行くだけが全てだと思います。
       僕は今年(10月で)29歳になるので、こういうチャンスはなかなかないと思いますし、今、こういう素晴らしい時間を過ごせているのは本当に幸せなことだと思うので、それを噛み締めながら、ここから数試合をやっていきたいですね」
       その数試合とは、4位でシーズンを終えたサンダーランドとのプレーオフでの2試合と、ウェンブリー・スタジアムが舞台となる決勝戦。プレミア昇格を懸けた残り試合を、「僕のサッカー人生の中でも、間違いなく大きな3試合になる」と、坂元は表現する。そして、穏やかな口調ながらも、きりっとした表情で続けた。
      「毎試合、僕は自分のサッカー人生を懸けて試合をするっていうふうに意識していますけど、より一層、ここから3試合は自分にとって一生(の記憶)に残るような試合になると思うので、シンプルにすごく楽しみですし、とにかく勝ちに貢献したい。その思いが強いです」
       前回、本コラムで坂元に触れたのは、彼が28歳になった当日の試合後だった。その原稿を「コベントリーのキーマンとしての坂本が誕生する日も遠くはないはずだ」と結んだのだが、その日は、今季のプレーオフ出場権を勝ち取る過程で、すでに訪れたと言える。そして目指すは、「プレミアの坂元」誕生の日だ。


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      常勝軍団を蘇らせたかつての“敵将”「あの時連覇していたら…」 両者を分けた2017年の因縁

       鹿島アントラーズは、5月11日に国立競技場で行われるJ1リーグ第16節で、川崎フロンターレと対戦する。Jリーグの“オリジナル10”である鹿島にとって、川崎は幾度となく行く手を阻まれた「実に厄介な相手」にほかならない。両クラブの対戦史を振り返ると、そこに厳然たる事実が浮かび上がる。(取材・文=小室 功/全2回の1回目)
         ◇   ◇   ◇   
       Jリーグクラブ最多の通算20冠を誇り、“常勝”の名をほしいままにしてきた鹿島アントラーズが、J1での対戦において唯一、負け越しているチームがある。それが川崎フロンターレだ。
       2024シーズン終了時での戦績になるが、ここまでの通算42試合を紐解けば、11勝8分23敗と、何とも分が悪い。なかでも2015年8月29日に鹿島が勝利して以降、16試合連続で白星を挙げられなかった。2000年11月4日のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)決勝や2017年元日の天皇杯決勝といった“大一番”では勝っているだけに、川崎に対する過度な苦手意識がチーム内に巣食っているような印象はない。とはいえ、リーグ戦での負け越しの事実は変わらない。
       長年、鹿島の強化責任者としてチーム編成に携わってきた鈴木満・現フットボールアドバイザー(FA)は、川崎との対戦史について次のように語っている。穏やかな口調ながら、猛烈な対抗心を隠さず、それとともにリスペクトの念もうかがわせた。
      「リーグ戦で負け越しているというのは、もちろん知っています。勝ちきれない時期が続きましたが、当然、負けたくない相手です。リーグ戦では、常に自分たちが上位にいなければいけないと思っています。ただ、切磋琢磨することで、お互いを高め合える存在でもある。川崎との試合はいつも楽しみにしていますね」
       未勝利状態から脱したのは2024年3月17日、地元カシマスタジアムでの一戦だった。前半36分に先手を取られながらも後半にチャヴリッチと鈴木優磨が立て続けにゴールを決め、2-1と逆転勝利。同年のアウェーゲームも勝ちきり、シーズンダブルを成し遂げたことで、多少なりとも溜飲を下げたのではないか。
       Jリーグ初年度の参入10チームである鹿島は、これまで一度もJ2に降格しておらず、積み上げてきた栄光の数々は他クラブも羨むほどだろう。ここ8シーズンは国内タイトルから遠ざかっているとはいえ、明日をも知れぬ群雄割拠のJリーグのなかで確固たる地位を築き上げた“名家”にほかならない。
       かたや2000シーズンに初めてJ1昇格を果たした川崎は、わずか1年でJ2に逆戻りしたものの、2005シーズンにJ1に返り咲き、着々と地力をつけてきた。2017シーズンにJリーグ初制覇を飾って以降、ここまで通算7冠を数えるなど、今や押しも押されもしない強豪クラブの仲間入りを果たした。
      “オリジナル10”の鹿島が、追いつけ追い越せとばかりに猛追してくる川崎に初めて黒星を喫したのが2005年9月11日のアウェーゲームだった。その翌年に初めてシーズンダブルを食らい、J1での最終順位も鹿島が6位で、川崎が2位と、初めて後塵を拝した。
      「優勝を狙っていこうというチームが、同じ相手に同じシーズンにホーム&アウェーともに負けるなど、あってはならない」と、鈴木FAは日ごろ語っていただけに、さぞかし歯がゆい思いを募らせたことだろう。
       2007シーズンからJリーグ史上初の3連覇を達成し、我が世の春を謳歌していた鹿島だが、その行く手を阻むべく、激しく対抗してきたのが川崎でもある。この3シーズンに限れば、1勝2分3敗と、常勝の牙城を切り崩しにかかる新興勢力に随分、手を焼いた。
       そして、大きく明暗を分けたのが、2017シーズンだ。その前シーズンにJリーグと天皇杯を制していた鹿島は、開幕戦こそ敗れたものの、着実に勝ち点を積み重ねていく。そんな最中、ACLの敗退を主たる理由に石井正忠監督(当時)との契約を解除。チーム内に激震が走ったが、コーチから内部昇格した大岩剛監督のもと、仕切り直し、連覇に向けてあと一歩のところまで迫った。
       リーグ戦もいよいよ佳境を迎え、残り2試合の段階で、優勝の行方は首位の鹿島と2位の川崎に絞られていた。両者の勝ち点差は4。つまり、鹿島が連勝すれば、川崎の結果に関係なく、タイトルを獲得し、1勝1敗でも自力による連覇達成が可能だったわけだ。
       ところが、2引き分けに終わった鹿島は、連勝した川崎に勝ち点で並ばれ、得失点差によって最後の最後に首位を明け渡す。最終節のジュビロ磐田戦で、不明瞭な判定から“幻のゴール”が生まれるなど、鹿島にしてみれば、後味が悪かったが、いずれにしても勝ちきれず、掴みかけていたタイトルを逃した。
       鈴木FAは当時を思い出しては「あのときに連覇していたら、チームとしても選手としてもすごく自信になったので、次のシーズンにつながったはずです。目前でタイトルを逃した悔しさは同じJリーグで晴らすしかない」と繰り返し、こう続けていた。
      「優勝したときの喜びはその日だけで、いつまでも浸ることはありません。むしろ、また優勝するために何が必要なのか、どうしたらもっとチームが強くなっていくのか、そっちに頭がいって、すぐに動き出すという感じになれるのです。でも、優勝できなかったときは何が足りなかったのか、どうすれば良かったのか、そういう思いがいつまでも頭の隅に残ってしまう。一刻も早くJリーグのタイトルを奪還して、この悔しさを払拭したいと思います」
       2017シーズンに鹿島の連覇を阻んだ川崎の指揮官は、日本サッカー界の異才・風間八宏監督のあとを受け、同シーズンから監督に就任したばかりの鬼木達だった。翌年もJ1リーグを制した川崎は2020年、2021年と再びリーグ連覇を成し遂げ、さらに天皇杯2回、ルヴァンカップ1回の優勝を加え、一時代を築いた。
       かたや、鹿島は2018年にクラブ悲願のACL初制覇を飾ったとはいえ、ここ8シーズン、国内無冠が続く。両クラブは、まさに対照的な道を歩んできた。こうした苦境に終止符を打つべく、白羽の矢を立てたのが誰あろう、宿敵を率いていた鬼木監督だ。
       昨日の敵は今日の友――。
       これを地でいくようなエピソードだが、鬼木監督にとっての鹿島は1993年にプロのキャリアをスタートさせた古巣であり、Jリーグきっての名将として引く手数多となった今、鹿島を指揮する日がくるのは必然だったのかもしれない。
       タイトル奪還を必達目標に掲げる鹿島。ここ数年は主力の海外流出が相次ぎ、チーム作りの新たなサイクルに入ったことを印象づける川崎。置かれた状況はそれぞれ異なるものの、しのぎを削り合うライバル関係は今後も過熱していくはずだ。
       見逃せない一戦が間近に迫る。J1における通算43回目の対決が、5月11日、東京・国立競技場で行われる。


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