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少しさかのぼると1985年のキリンカップで日本代表と読売クラブが対戦している。読売が1-0で勝利。当時の読売には代表メンバーの加藤久、都並敏史、松木安太郎がいて、この時期は代表を離れていた戸塚哲也が決勝点を決めている。後に代表入りする与那城ジョージ、ラモス瑠偉もプレーしていた読売は日本代表に勝利して不思議ではない実力があったのだが、代表とすれば屈辱的かつトラウマ的な敗戦だった。以降、この種の試合は行われていない。
日本代表に比肩しうるクラブとしては、2002年前後のジュビロ磐田が思い浮かぶ。フィリップ・トルシエ監督率いる代表はコンパクトなフラットスリーによるプレッシングが看板、一方の磐田はN-BOXと呼ばれた名波浩を中心とする変幻自在の攻守でJリーグを席巻していた。
2014年、アルベルト・ザッケローニ監督の日本代表は素晴らしい攻撃力をみせていたがワールドカップ(W杯)はグループリーグ敗退。ただ、それまでのパフォーマンスは史上最強ともいわれていた。この時期の代表と対戦したら面白そうだったのが川崎フロンターレ。中村憲剛、大久保嘉人を中心に攻撃力の高いチームだった。
2018年のロシアW杯ではベスト16入り。ベルギーにロスタイムに決勝点を決められて敗退。横浜F・マリノスや川崎が対戦したらどうだったろうとは思うが、もうこの頃になると代表とクラブを比較しようという発想すらなくなっていた気がする。
現在の日本代表とヴィッセル神戸が対戦したらどちらが強いのか。そんなことを考える人はあまりいないだろうし、そもそも対戦が実現しないので考えもしない。仮にJリーグ王者が日本代表と対戦したとしても、代表が勝つだろうと多くの人は考えると思う。
代表メンバーの大半が欧州のクラブに所属している。Jクラブには外国籍選手がいるけれども、それでも代表の優位は動かないように思える。実際には対戦してみないと分からないが、代表がJクラブに負けるというイメージが湧かない。
Jリーグで活躍した選手が欧州リーグで揉まれてより強くなっているのだから、国内の選手ではかなわないだろうと思ってしまう。欧州>日本という図式が刷り込まれているからだろう。実際、プレミアなど一部の欧州リーグに関してはそのとおりでもある。
例えば、ドイツ代表がバイエルンより強いと思っているドイツ人は少ないと思う。スペイン代表とレアル・マドリー、フランス代表とパリ・サンジェルマンも同様。イタリア人でなくてもイタリア代表よりインテルの方が強そうに思える。
代表とリーグトップのクラブが実力的に拮抗しているか、むしろクラブの方が優位。おそらくこれが日本の目指すべき状況だと思う。
アルゼンチン代表がリーベルより強そうなのはリーグが輸出型だからだ。現状、日本が向かっているのもこちら側。かつてのフランスもそうだった。将来的にはこの境遇からの脱却を図るべきだが、それがいつになるのかはまだ見当もつかない。
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