3月のチャンピオンズリーグの夜、ミラノ中心部で飛び乗った路面電車は混んでいた。試合日の28番線はいつだって赤か青のカラーで満ちている。インテルのマフラーを巻いた中年男性のグループが新スタジアム構想について話していた。「今度こそ決まりそうじゃないか。少し寂しいけどな」。
 サンシーロが解体され、現在は駐車場があるエリアに新スタジアムが建設される――。長い間構想が出てきては頓挫してきたミラノの新たなスタジアムは、ついに現実のものとなりそうだ。ミランとインテルが敷地を買い取り共同で建設するスタジアムは現状より約8500人少ない7万1500人収容。現代のスタジアムで最も重視されるVIPエリアを兼ねたホスピタリティ席は1万3000席の予定だ。一帯にはホテル、商業施設、公園に大規模な地下駐車場も。試合日以外の収益につながる、現在の流れに沿ったスタジアムである。行政の手続きなどまだ道半ばではあるが完成予定は2030年となっている。


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