森保一監督率いる日本代表(FIFAランク18位)は、6月6日にミャンマーのヤンゴンで行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でミャンマー代表(同163位)と対戦し、5-0で勝利を収めた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、センターバック(CB)を主戦場とするDF板倉滉(ボルシアMG)がボランチとして途中起用された点について言及し、「日本サッカーのレベルを1つ高める可能性を秘めている」と期待を寄せている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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 森保ジャパンでCBの主力として起用されてきた板倉が、この日は後半35分からボランチとして途中出場。後半アディショナルタイムには中盤でボールを保持した板倉が相手2人の間を狙った絶妙な縦パスを通し、FW小川航基のポストプレーからMF中村敬斗の見事なコントロールショットが生まれる。3人が同じ“ゴール図”を頭に描き共鳴したなか、その起点になったのは板倉だった。
 川崎フロンターレ所属時代の板倉はボランチとしてプレーし、本人もボランチ道の追求に意欲を見せていた一方、188センチの恵まれた体格で巧みな足もとの技術も備える若武者の希少性は高く、世代別代表ではCBとして存在感を発揮。CBとボランチを兼務できるタレントとして重宝されたなか、海外クラブ移籍後はCBを主戦場として戦い続けている。
 日本代表ではCBとして確固たる地位を築く板倉だが、金田氏は「もともとボランチでもプレーしていた経験を持っているが、この日も特に違和感はなく、むしろ今後への可能性を大いに感じた」とボランチ板倉を高く評価した。
「遠藤(航)とはまた違うタイプで、展開力、高さ、球際での強さなど基本的な項目はどれも水準以上だ。最終ラインの前で相手の攻撃を弾き返しつつ、最終ラインと挟み込むタイトな守備もできる。高さと強さと展開力を備えたボランチという意味では、非常にいいオプションの1つ。もともとパスを散らす能力は高く、機を見てボールを運ぶ判断や機転にも優れている」
 日本代表のCB陣には板倉に加え、冨安健洋(アーセナル)、谷口彰悟(アル・ラーヤン)、町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)ら実力者が揃う。さらに左サイドバック(SB)の伊藤洋輝(シュツットガルト)、右SBの橋岡大樹(ルートン・タウン)もCB兼務可能というなか、この日はオプションとして板倉のボランチをテストする形となった。
 出場時間はアディショナルタイムも含めれば約15分間だったものの、ゴールに絡む働きを見せた板倉は収穫の1つであり、日本代表が飛躍する可能性をそこに見たと金田氏は語る。
「今後もボランチ板倉を試す機会は増えてくると思っている。ボランチ板倉が、日本サッカーのレベルを1つ高める可能性を秘めている。少なくともチームに新鮮な刺激を与えくれるだろう。ボランチは激戦区だ。遠藤、守田(英正)、田中(碧)らはA代表の常連組だが、最近ボランチでも輝きを放つ鎌田(大地)、ミャンマー戦で出場した川村(拓夢)、そして板倉が加わり、多様なタレントが揃っている。しかもU-23日本代表世代にも有望なタレントが多く、パリ五輪後の融合が非常に楽しみだ」
 広島で行われる6月11日のW杯2次予選最終節のシリア戦。すでに日本の最終予選進出は決まっているなか、ボランチの熾烈な競争は見どころの1つとなりそうだ。


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