FWにより守備での貢献、攻撃での効果的なフリーランというのは、今日のサッカーにおいて欠かすことができない重要な要素だ。
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「攻撃的な選手は、守備でフルパワーを使うと最後のところで力を発揮できない」と言われたりもするが、世界のサッカーシーンで前線の選手に求められているのは、「ハイインテンシティー(高いプレー強度)で守備に、攻撃にとチームのために走って戦い、プラスαで攻撃面に違いをもたらすこと」だ。それができるだけのフィジカル、メンタル力を備えることが絶対条件とされている。
 2022年カタール・ワールドカップ(W杯)日本代表で、現在ドイツ2部ホルシュタイン・キールでプレーするFW町野修斗は、悪戦苦闘しながら、このテーマと向き合っている。
 取材に訪れた2月1日の第20節マクデブルク戦(1-1)でスタメン出場した町野は、守備陣から矢継ぎ早に送られるロビングボールにヘディングで競り合い、スペースへ抜け出し、相手の激しいチャージを受けながら、なんとか味方へパスをつなごうと苦闘していた。
 守備になると瞬時にポジショニングを取り、ボランチへのパスコースを消し、相手センターバックにプレスをかけ、うしろに出させるとすぐに戻ってスペースを埋めるという動きを繰り返す。
「練習から同じようなインテンシティーでできています。今、FWに求められるのは守備でも走るというところで、当たり前のこと」
 何本もダッシュやハイスピード走をしたうえで、さらに攻撃で違いを生み出すプレーをするのは簡単ではない。ハイプレッシャー下でも、負荷が重いなかでも、いつ、どこで、どのようにプレーするかの判断力の精度とスピードが備わってこなければならない。
 町野は今季ここまでドイツ2部でリーグ戦17試合に出場し、2ゴール。ドイツサッカーに少しずつ順応してきているという手応えはありながらも、もう少し時間が必要なことも認めている。
「かなり試合にも出場させてもらってるんで、多少の慣れはあるんですけど、まだ最後の落ち着きであったり、細かい部分はまだまだですね。ただゴール前での余裕っていうのは、Jリーグの時みたいには今、持てていない。それが(得点が決まらない)原因かなと」
 町野は一例として、マクデブルク戦の後半20分のシーンを挙げた。相手ペナルティーエリアへ入り込む形で味方からのパスを受けた。短いドリブルからシュートにいこうとするが、相手DFに寄せられて打ち切れない。フェイントで外そうとするが、グラウンドのぬかるみに足を取られて潰されてしまった。
「僕がカウンターで運んだシーンで、やっぱりいい終わりかたができていなかった」
 一方で好プレーもある。前半ロングボールを見事なヘディングで流し、味方FWがフリーでシュートへ持ち込むシーンを演出したり、ペナルティーエリア内の鋭い動きで相手のマークを外してパスを呼び込んだり、クロスに対してタイミング良くフリーで飛び込んだ。だが、最後のパスは直前で相手DFにクリアされたり、違う味方へ送られたりしており、あと少しで噛み合いそうな気配は漂うが、その「あと少し」が遠い。
「攻撃陣のチームメイトはゴールを決めています。僕も決めたい。前半戦で2点だけというのは自分としても歯がゆい。ゴールが決まっていたら、もっと自信も出てきますから」
 12月に地元紙「キーラーナッハリヒテン」の取材に町野はこう答えていた。
 前線で奮闘していることは見て取れる。キールの地元記者も「頑張ってくれている」と認める。ただFWとしてチームに求められているのは、その先なのも確かだ。町野もその点はよく理解している。前線で孤立気味になろうとも、そこで何かできる選手にならなければと、言葉に力を込めていた。
「トップの選手はやっぱり1人で局面打開できる。そうした選手がトップレベルに行っている。僕もそういう力を付けないといけない。ただ周りを生かすところも自分の武器なので両方成長したいです」
 加入時にマルセル・ラップ監督が「シュウトは素晴らしいシュートを持つ本物の点取り屋だ。エリア内でゴールの匂いをかぎ分けることができる。それにチームプレーヤーとしてのメンタリティーを持っている」と大きな期待を寄せていた。
 この壁を乗り越えた先にきっと、ピッチで躍動し、ゴールを量産する町野の姿があるはずだ。


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