J1浦和レッズに昨季加入して「10番」を背負い、切れ味の鋭いドリブルと精度の高いキックで攻撃を牽引しているスウェーデン人MFがダヴィド・モーベルグ。チェコ1部の名門スパルタ・プラハからの移籍は新型コロナウイルスの影響で来日が遅れたものの、昨年4月のデビュー戦でいきなりゴールを決めるなどその実力を発揮した。日本とスウェーデンの両国には、文化において似た部分があるという。(取材・文=轡田哲朗/全3回の2回目)
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 1月10日からスタートした沖縄キャンプの2日目、地元の歓迎セレモニーでスピーチを受けた際に、チームメイトたちが拍手をするなかで、モーベルグがお辞儀をしていたことが話題になっていた。日本文化に順応する姿勢を見せるが、前所属は欧州でも名門として知られるチェコのスパルタ・プラハ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)にも出場することのあるクラブから日本にプレーする場所を移す決断を下していた。
 その理由をモーベルグは「契約が切れる半年前から、自分の中では新たなチャレンジをしたいという気持ちが強くなった。マインドも幅広く、グローバルに視点を広く持とうと思った。その時に浦和から話がきたのが大きかったんですよ。そして、日本という新たなチャレンジを決意しましたね」と、浦和からのオファーはタイミングという観点でも渡りに船だったという。
 浦和ではDFアレクサンダー・ショルツや、今季は名古屋グランパスに期限付き移籍となったFWキャスパー・ユンカーらと日本文化に溶け込むような姿勢も話題になった。モーベルグは日本食について「納豆! 本当に大好きで美味しい」と目を輝かせるなど、ショルツとともにチーム内でも納豆フリークとして知られる。「大きな違いは箸で食べることかな」と語るが、生活するうえでスウェーデンと日本の文化の共通点も話した。
「たくさんのことに驚いているんだけど、スウェーデンと日本の違いはみなさんが想像しているほどではないと思う。もちろん違うような文化はあるし、新しい文化を学ぶのは楽しい。ただ今のところ、そんなに驚くほどの『なんだこれ!』となってしまうような違いは見つかっていないと思う。日本の場合は分かりやすく言えば、犯罪がほとんどない。それはいい方の違いだから、逆だったら衝撃だけど、安全性というのは安心をくれる。それは、ありがたいことだね。ただ例えば、お年寄りを丁寧に扱うのは日本とスウェーデンで似ている。昔は家の鍵を締めずに出かけていたし、安全なところも日本とスウェーデンは似ていると思うよ」


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