11月1日、カタール・ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表のメンバー26人が発表された。20日の開幕が迫るなか、元日本代表FW佐藤寿人氏に、自身も経験したからこそ分かる選手たちの思いなどについて語ってもらった。
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 W杯のメンバーに選出された選手たちは。クラブでの残された試合を終えれば、まず初戦のドイツ戦にフォーカスすることになる。彼らにとって大事なこととは。
「先発の11人はある程度、固まってきていると思いますし、3戦通してのシミュレーションはある程度、してあるのかなと思います。何か劇的に変えることはなく、積み重ねてきたものを出す。森保監督のサッカーを知らない選手もいないですしね。ただ、攻撃の選手にとって、守備のタスクは間違いなくクラブでのプレー以上に多くなると思います。勝つためのプレーをしっかりできるかになりますね」
 そのなかで、佐藤氏の1学年下と年齢の近い川島永嗣が4大会連続でメンバー入り。経験豊富なベテランの存在は頼もしいものになる。
「もちろん、選ばれた以上は彼自身もバックアップで行くつもりはないと思いますし、試合に出る準備をプロフェッショナルとしてすると思います。これまでのW杯でいろいろな立場を経験してきて、結果が出たときも、そうではないときもあった。代表チーム、特に26人という大枠なら、皆が充実するということはないと思います。初戦の結果によっては精神的なブレも間違いなく出てくると思いますが、永嗣や長友(佑都)、キャプテンの(吉田)麻也のように経験豊富な選手がしっかりいる。もちろんプロとして試合に出るための準備も変わらずやると思うので、安心して見ていられるかなと思います。それは彼のキャラクター、性格も含めて。いろいろな代表チームも彼自身、中に入って見てきていますからね」
 一方で、外れた選手にとっては残酷なメンバー選考でもあった。4年ごとに誰かが必ず外れることになるとはいえ、酷なことに変わりはない。
「先日、大迫(勇也)にインタビューさせてもらう機会があって、そのときは外れるとは思っていませんでした。ただ、そのときも彼は『入らなかったら入らなかったです』と淡々としていたので、もしかしたら落選の覚悟もあったのかもしれません……。自分も2回、W杯の代表からは外れている(2006年/ジーコ監督、2010年/岡田武史監督)ので、その気持ちは分かります。この世界であればよくあることかもしれませんが、4年は長いですし、そのなかで代表チームでの立ち位置も変わってくる。本大会が近づくにつれて頭角を現してきた選手の方が入りやすいとは思いますし、4年というのは長いなと、外から見ていても感じますよね。決してその選手が良い、悪いだけではなくて、めぐり合わせもありますから」
 だからこそ、選ばれた選手には背負うべきものがある。何よりも結果で、外れた選手たちの思いに報いたいはずだ。
「会見で森保監督もおっしゃっていましたが、選ばれた26人は外れた選手の思いも背負っていく。これまでも代表チームはそういった思いでW杯に臨んできたと思います。そのためにも、まずは初戦ですよね。初戦で勝ち点を積み上げられると、かなりポジティブにグループリーグを考えることができるはず。そこで勝ち点が得られないと非常に厳しく感じられてしまいます。ただ、これはドイツもコスタリカもスペインも、どの立場でも難しいもの。特にスペインであれば、突破するのが当たり前と思って見られますし、それはドイツも同じですからね」
 日本代表は現地時間23日午後4時(日本時間午後10時)にドイツ代表との第1戦に臨み、同27日午後1時(日本時間午後7時)にコスタリカ代表、同12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)にスペイン代表と対戦する。


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