11月1日、カタール・ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表のメンバー26人が発表された。20日の開幕が迫るなか、元日本代表FW佐藤寿人氏に、メンバー選考から見える森保一監督の意図や、FWの人選などについて語ってもらった。
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 1日のメンバー発表は、選外となった選手が話題を呼ぶこととなった。佐藤氏も、当日の発表は驚きをもって受け止めている。
「正直、ちょっと驚きました。前線はある程度、大迫(勇也)を軸にやっていた部分がありましたし、怪我の状態で選ばれてはいませんでしたが、コンディションが上がってきているのも見ていましたから、26人から外れることはないと思っていました。順当だというよりは、どちらかというと驚きの方が多かったですね。怪我をしている板倉(滉)と浅野(拓磨)がどういう状態かは分かりませんが、それでも(メンバーに)組み込んだということは、彼らの優先順位が高かったのかなと思いました」
 前線では大迫だけでなく、古橋亨梧も選外。FWとしてのタイプがこの決断に影響したと、佐藤氏は見る。
「今の代表チームは(FWの)動き出しをしっかり見て、ゴールがファーストチョイスになるような戦い方ではありませんし、なかなか古橋の良さを生かしきれなかった部分もありました。それと、まさに僕自身がそうだったので分かるんですが、動き出しを常に見る選手がどれだけいるか、チームのやるサッカーとストライカー像とのリンクがなかったのかなと。クラブレベルで活躍していても、今の代表のいろいろな戦い方を見たときに、優先順位が高くなかったのかなと思いました」
 では、そうした要素も踏まえたうえで、森保監督はどのような戦いを見据えているのか。
「グループリーグ3戦を考えて、初戦を終えて第2戦でどういう人選をするのかも含めて、前線に守備のスイッチ役を求めたのかなと。相馬(勇紀)を入れたのは、こう着した状況で局面を打開できるということ。もちろん三笘(薫)もいますが、相馬は9月シリーズでしっかりアピールしました。あとは森保監督が今まで戦ってきて、信頼度の高い選手が残ったなという印象です。ただ、大迫が外れたのは信頼度が低かったというわけではなく、あくまで戦い方を見据えたなかでの決断だったと思います。大迫に代わるタイプの選手はいないので、正直『もったいない』とは感じてしまいますが、前線で起点になる部分は上田綺世も十分担えるという判断になったのではないでしょうか」
 グループリーグ3試合で起こり得る状況から逆算し、選ばれた26人のメンバー。そこにはある傾向も見て取れたという。
「リードされているとき、こう着した状況、点を取りに行かないといけない展開、試合を終わらせたいとき……。26人が選べて、なおかつ交代枠も今までよりも増えています。1人の選手が1つの役割しかできないと、選ばれにくい形にはなっていたと思います。スペシャリストでありながらも、いろいろな状況やポジションでもしっかり自分を表現できる選手がメンバーに入っていった印象です」
 日本代表は現地時間23日午後4時(日本時間午後10時)にドイツ代表との第1戦に臨み、同27日午後1時(日本時間午後7時)にコスタリカ代表、同12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)にスペイン代表と対戦する。


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