森保一監督率いる日本代表が9月に欧州遠征(23日にアメリカ戦、27日にエクアドル戦)を予定しているなか、日本対アメリカ戦で「家本政明ぶっちゃけLABO」というオンライン同時視聴イベントを開催する元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏。今回は審判の賃金や労働条件について尋ねた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
   ◇   ◇   ◇
 レフェリーの給料は、あまり公にされてこなかった。1試合を走り切る体力面、精神面でのプレッシャーなど数々の負担がかかる仕事だが、Jリーグでは主審1人に対し1試合当たりの手当てが定められており、J1リーグ主審で12万円の支給となっている(※J1~J3リーグ審判員「主審」「副審」「第4の審判員」「VAR」「アシスタントVAR」「プロフェッショナルレフェリー主審」「プロフェッショナルレフェリー副審」の手当て一覧は別表を参照)。
 海外ではスペイン女子プロリーグの開幕前、賃金と労働条件の改善を要求し、審判団がストライキを実行。その結果、審判は1試合320ユーロ(約4万5000円)から1666ユーロ(約23万8000円)、副審は1試合160ユーロ(約2万2000円)から1066ユーロ(約15万2000円)に増額され、第4の審判は1試合250ユーロ(約3万5000円)が支払われることに。9月にスペインサッカー連盟と新協定が結ばれ、給料などの待遇が改善された。
 またスペイン男子のリーガ・エスパニョーラでは主審が1試合6000ユーロ(約85万8000円)、副審が1試合3000ユーロ(約42万9000円)と、欧州5大リーグで最高水準の手当てになっている。
 そうした背景を基に、「審判の労働条件と賃金に改善が必要か?」という質問を家本氏にぶつけてみると、「すごく難しい問題だなと思います」と頭を悩ませた。
「賃金に関しては、日本は今デフレにある状況で、社会的に労働賃金はここ何年も上がっていない。世の中には労働環境がすごく大変にも関わらず、給料が上がっていない人はたくさんいる」
そのように前置きしつつ、「審判にも責任など厳しいものが求められており、賃金が上がったほうがいいなとずっと思っていますが、社会的に目を広げて見た時に、多少の疑問を感じます」と日本の経済面も考慮しながら、慎重に意見を展開している。
 さらに家本氏は「何をもって金額を妥当とするかがとても提示しにくい」とレフェリーの給料の妥当性を定めることが難しいことを挙げ、「環境や条件が近いのなら、賃金も等しくあるべきと思うが、負荷の高さ、プロとアマチュア、試合のクオリティーや試合の注目度など多様な要素によっても変わってくる」と状況や試合の置かれた立場によって変動することを指摘していた。
   ◇   ◇   ◇
 そんな家本氏は、9月23日に行われるキリンチャレンジカップの日本代表対アメリカ代表の一戦で「家本政明ぶっちゃけLABO」というオンライン同時視聴イベントを開催する。レフェリーという仕事の苦労や体験談などを交えながら、視聴者の素朴な質疑にも答えていく。独自のレフェリー目線でリアルタイム解説する“家本節”にも注目が集まる。


※海外サッカーのランキングをチェック♪

掲載元:FOOTBALL ZONE/フットボールゾーンFOOTBALL ZONE/フットボールゾーン
URL:https://www.football-zone.net/archives/404310