日本代表(FIFAランキング23位)は6月10日、ノエビアスタジアム神戸で行われたキリンカップでガーナ代表(同60位)と対戦し、4-1で勝利を収めた。6月シリーズ3戦目にして初めてのスタメン起用となったMF久保建英は、国際Aマッチ17試合目の出場で代表初ゴールをマーク。パラグアイ戦(4-1)で途中出場した際にはアピールできなかった久保が、インサイドハーフとして躍動し、長い道のりだった初ゴールをつかみ取った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞)
「長かったですね。このまま一生入らないんじゃないかと思ったこともあった」
 3年と1日。1097日。2019年6月9日、エルサルバドル戦でA代表デビューを飾ってから17試合目だった。遠かったA代表初ゴールをマークした。2-1で迎えた後半28分、左サイドでMF三笘薫が縦に仕掛けてマイナスに入れたボールを左足で合わせた。ゴールの直後、久保が三笘へ駆け寄ると、仲間たちが集まってきた。冷静なままの久保がいた。
「(ゴールパフォーマンスを)何かしようか迷った。みんなが喜んでくれたので、喜ぶタイミングを失った。とりあえずパスをくれた三笘選手のところに行こうと思った。そのあと何かしようと思ったら、みんなが来てくれたので、嬉しくて満足してしまいました」
 嗅覚で掴んだゴール。「珍しくああいうところで、代表でテンパる自分がいた。こぼれてくる予感がした」。3年という月日は長かった。
「周りがどんどん簡単なゴールを決めるたびに、『なんで僕の(シュート)はブロックされるのだろう』と。今はすごく落ち着いている」
 6月シリーズ、久保にとっては試練となった。パラグアイ戦で後半26分から出場。約20分のプレー時間では見せ場を作ることが出来ず、全くアピールすることができなかった。その理由をパラグアイ戦後に久保自身が明かしていた。
「上手くいっていた中での怪我がもったいなかった。怪我の後はあまり上手くいかなかった。そこが悪い意味でのターニングポイントになった。1度もらったチャンスも怪我でフイにした。この前の試合(パラグアイ戦)は少し焦りが出て本来の良いプレー出せなかった。代表に入ってきて一旦フラットな状態からの1試合目で、嫌でも自分の立ち位置が見えてきたからこその焦り。普段はどこか冷静に出番を待っている自分もいたけど、この前の試合は色々と考えることがあってうまく試合には入れなかった。今度は1から割り切ってやれるので、今後焦りはないと思う」
 日本代表での合宿中に左足首を負傷し、パラグアイ戦ではこれまでの森保ジャパンでの”サブ組”が先発するなかで久保は途中出場。その現在地を受け止めざるを得なかった。6月4日に21歳を迎え、必死に切り替えようと奮い立たせた。だが、次のブラジル戦、久保に1秒もチャンスは与えられなかった。


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