5月1日にイビチャ・オシムが亡くなってから14日が過ぎた。その間、アシマ夫人とは都合3度電話で話をした。最初は亡くなった翌日の2日、次が4日、3度目が10日である。
 翌日の電話では、夫人はフランス語で話すことができなかった。気持ちがいっぱいでその余裕がない。私が指摘すると、承知のうえでドイツ語で話しているといい、会話が通じるようになったのはそれからしばらくたった後だった。
 ただ、2日もまた4日の電話も、短い会話で終わった。家に人の出入りが頻繁で、夫人もさまざまな対応に追われて話をする余裕がない。特に4日は、シュトゥルム・グラーツ主催による追悼セレモニーがメルクール・アレーナ(シュトゥルムのホームスタジアム)でおこなわれる直前であり、ほとんど話ができなかった。それでも彼女は、最後にこう言って電話を切った。
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掲載元:サッカー日本代表 - Number Web - ナンバー
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