元日本代表FW大久保嘉人は、川崎フロンターレ時代の2013年から3年連続得点王に輝くなど、J1歴代最多得点者としてJリーグの歴史にその名を刻んでいる。セレッソ大阪に15年ぶりに復帰して迎えた今季開幕戦でも早速ゴールを奪い、ここまでリーグ戦7試合5得点。ストライカーとしての技術や嗅覚に衰えを見せていないが、プロ21年間のキャリアを振り返った時、“転機”になったのが2005年に加入したマジョルカ時代だったという。大久保はスペインの地で何を学び、その後に生かしてきたのか。当時を振り返りながら、FC東京時代の元同僚である日本代表MF久保建英(ヘタフェ)の現状についても語ってくれた。(取材・文=Football ZONE web編集部・小杉 舞)
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「今の日本代表はいい選手が多い。久保なんかは一緒にやっていますし、個人能力も高い。頭もいい。今は海外で苦しんでいるけど、いい時も絶対来るので、それを自信につなげていってくれたら、今の若い世代も伸びてきて面白い日本になるんじゃないかな。すごく期待している」
 昨季の久保と同じく、マジョルカでリーガ・エスパニョーラに初挑戦した大久保。2001年からC大阪で4年間プレーした後、05年1月にスペインへ渡りマジョルカに1年半在籍した。リーグ戦通算39試合5得点、負傷にも悩まされた。途中出場も多く、チームも04-05シーズンは17位、05-06シーズンも13位と下位に低迷するなかで得た経験は大きかったという。
「怪我が大きかったので、なければどうなっていたんだろう。もっとできたと思う。(スペインならではの難しさは)言葉ぐらい。最初は俺も喋れないし、喋ってくれるまではなかなかパスが出てこないなという印象があったけど、パスが出てくるようになったらみんなフレンドリー。単純じゃないですか。すごく楽しかったですね」
 マジョルカでプレーした後は、一度C大阪へ復帰。その後、ヴィッセル神戸、ドイツ1部ヴォルフスブルク、川崎、FC東京、ジュビロ磐田と多くのクラブでストライカーとしての存在感を発揮してきた。川崎時代には3年連続J1リーグ得点王に輝き、今季もここまで7試合5ゴールとJ1歴代最多の通算得点記録を「190」にまで伸ばしている。こんなにも多くのゴールを重ねられたのは、マジョルカで積んだ経験があったからだ。
「スペインに行って帰ってきてからは、プレースタイルがすべてと言っていいほど変わった。(スペインに行く前は)本当にドリブルが好きで、ドリブルばっかりで、周りのことも考えていなかった。考える力も持っていなかったけど、『これじゃ長いことサッカーができない』と思わせてもらって。今のプレースタイルじゃだめだなと思ったので、(日本に)帰ってきて練習からプレースタイルを変えて臨むようになりましたね」


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