第99回全国高校サッカー選手権は11日に決勝戦が行われ、3大会連続の決勝進出を果たした青森山田(青森)はPK戦の末に山梨学院(山梨)に敗れて、2大会連続の準優勝に終わった。黒田剛監督は「大人よりも子供のほうが切り替えて、選手権が実施されることを信じて積み上げてきた」と、この1年を振り返った。
 青森山田は例年、Jリーグのユースチームも含まれる高円宮杯プレミアリーグに参加し、強豪との戦いを経ての成長をチームの大きな要素としている。しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、再編された大会のうちプレミアリーグ2020関東への参加は叶わなかった。スーパープリンスリーグ東北にこそ参戦したものの、高校総体(インターハイ)も中止となり例年とは公式戦の経験数が全く違う状況だった。
 それは、決勝戦にも影響した面があったかもしれない。警戒していた立ち上がりに先制点を奪われ、一度は逆転したものの同点ゴールを許した。その後、勝ち越しゴールを決めておかしくない決定機も生かせなかった。勝負強さが伝統的な持ち味とも言える青森山田らしさという点では、甘さが出た場面が多々あった。指揮官もまた、試合後に「コメントは難しいのですが」としながら振り返った。
「サッカーという競技をやっている以上は決めるところで決めないとダメだし、チャンスの数で勝負するわけでもなく、改めて勉強させてもらった。山梨学院はチーム一丸となって、こういう勝ち方をイメージして取り組んだと思う。サッカーのスキルにおいて1枚上はいったかもしれないが、役割を果たせたかどうか。決定機も何度かあり、スキルや精神状態の甘さもあったかもしれない。考えさせられる試合だった」
 一方で、黒田監督はこの新型コロナウイルスの影響で公式戦が次々になくなっていく状況の中で、前回大会の準優勝からの「王座奪還」を合言葉に高校選手権へと準備してきた選手たちの姿に、感謝の思いがあるのだという。


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