「バルサの試合が見られない」
 そんな地元民の不満が続出したのは10月半ばのことだった。コロナウイルス第2波が猛威を振るい、バルセロナは町のすべての飲食店の閉鎖を決定。バルでビールを飲みながら愛するバルサの試合を見るという、多くの人にとって至福の時間が奪われてしまった。スタジアムもバルも閉じられた今、リーガを放映する有料テレビ局と契約する金銭的余裕のない人(不況により急増中)は試合を見る術がなくなったのである。
 それでもバルサが好調であればまだよかった。しかし夏のメッシの退団騒動に始まり、バルトメウ会長が辞任に追い込まれるなど、クラブ内の問題の影響を受けたチームはまるでさえない。ホームでレアル・マドリーに完敗し、期待の18歳アンス・ファティは負傷で長期離脱と散々だ。


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