プレミアリーグ第27節のチェルシー対トッテナム(2-1)で、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)がトッテナムのアルゼンチン代表MFジオバニ・ロ・チェルソの危険な踏みつけ行為を見逃し、現地で物議を醸している。チェルシーのフランク・ランパード監督は「(VARにとって)最悪の広告になってしまった」と語り、この一件への怒りを表明した。
 現地時間22日の試合で問題となっているのは、チェルシーが2-0とリードして迎えた後半6分のプレー。タッチライン際での競り合いのなか、こぼれ球をキープしようとしたロ・チェルソが、チェルシーのスペイン代表DFセサル・アスピリクエタの右足の脛を踏みつけてしまった。このプレーに対してVARが介入したが、退場に値するプレーはなかったと判断され、ロ・チェルソにはお咎めなしで試合が再開されていた。
 試合後にはアスピリクエタが「誰にでも間違いはあるが、何度もリプレイが見られるなら難しいことではなかったはず」と苦言を呈する一幕もあったなか、VARを担当したデイビッド・クーテ氏による「人為的ミス」があったと発表される事態に発展。VARへの信頼を揺るがしかねない出来事だが、英ラジオ局「talkSPORT」によるとランパード監督は次のように怒りを表明したという。
「あれはレッドカードだ。みんな分かっているし、私も見た。明らかなことだったし、とても驚いたよ。試合が終わって1時間半後に(判定にミスがあったと)言われても意味がない。あれほど明確なレッドカードはないだろう。VARはこういう時のために導入されたもののはず。これでは疑問符が浮かぶだけだ」
 さらにランパード監督としては「VARに機能してもらいたいし、判定の透明性が保障されてほしい」としつつも、今回の一件は「(VARにとって)最悪の広告になってしまった」と語っている。
 最終的にチェルシーが勝利を収めたとはいえ、試合結果を左右しかねないプレーがVARにも見逃されてしまったことは、大きな衝撃を与えている。システムの運用という面から見ても、VARにまだ改善の余地が大きいことは確かだろう。


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