Jリーグのシーズン開幕を告げる富士ゼロックス・スーパーカップが8日、埼玉スタジアムで行われ、昨季のJ1優勝チームである横浜F・マリノスと天皇杯優勝チームのヴィッセル神戸が対戦。派手な打ち合いは3-3でPK戦にもつれ込み、これを制した神戸がタイトルを手にした。
 この試合ではJ1リーグ戦で今季から導入されるVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が運用され、実際にゴール後には場内のモニターにVARチェック中と明示されるなど、明確な変化があった。これまでもカップ戦等で限定的に運用されてきたものの、ついに本格導入となることを強く印象付けている。
 欧州リーグや国際大会ではすでに馴染みのあるものとなりつつあるVAR。テクノロジー導入によるメリットは言うまでもないが、一方で選手や監督らスタッフ、さらには観客にとっても、VARへの“適応”は必要だろう。一度はネットを揺らしても、VARの進言によってチェックが入り、ノーゴールとなる可能性はどのチームにもあるからだ。これまでは一度下った判定が覆ることは基本的になかったが、自分たちに不利な形の変更となっても受け入れるとともに、 次のプレーに向けて切り替えていくことが求められる。
 ゼロックス杯に話を戻すと、VARに適応するという点で印象に残ったのは、横浜FMのサポーターだ。
 横浜FMが前半27分に先制点を奪われ、0-1で迎えた同36分。日本代表FW仲川輝人のシュートがGK飯倉大樹に当たり、こぼれたボールをFWマルコス・ジュニオールが押し込んで同点弾をゲットした。主審も副審もノーゴールを示すようなジェスチャーはしていないが、仲川と飯倉が正面衝突して倒れ込んでいたこともあってか、主審はVARと交信。やや長めのチェックが入り、最終的にゴールは認められた。
 この時の横浜FMサポーターは、一度はゴールを喜びつつも、VARによるチェックの間はその行方を注視。ゴールが認められると大歓声で改めてゴールを祝福し、プレー再開とともにこの日一番の大ボリュームでチャントを響かせ、反撃に出るチームを鼓舞した。


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