ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】
 日本代表MF中島翔哉が所属するポルトは現地7日、アウェイでヨーロッパリーグ(EL)のグループG第4節のレンジャーズ戦に臨んだ。
 結果は0-2の完敗。今季初となる3バックを採用して敵地での大一番に挑んだものの、良いところなくスコットランドの雄に屈した。中島に出番は訪れなかった。
 他会場ではヤングボーイズとフェイエノールトが引き分けたため、勝ち点4のポルトは得失点差でグループ最下位に転落。決勝トーナメント進出に向けて残り2試合で全勝が求められる非常に厳しい状況に追い込まれた。
 試合後、ポルトを率いるセルジオ・コンセイソン監督は「0-2で負けた時、戦略が良かったなんてことは一切ない」と落胆を隠さず。「常に監督に責任がある」と続け、完敗を悔やんだ。
 決勝トーナメント進出が大きく近づくか、あるいは遠のくかがかかった大一番で3バックを採用した意図については「レンジャーズのウィングは内側でもストライカーをサポートするという大きな役割を果たしているため、3バックで中央の守備を堅くしたかった。そしてアレックス・テレスとウィルソン・マナファをアウトサイドに置くことで攻撃的に相手の組織を破壊したかった」と述べた。
 だが、この一戦に向けて準備した新戦術は全く機能しなかった。直近のリーグ戦では最下位の相手に辛くも勝利を収める展開でホームスタジアムのスタンドからはブーイングも聞こえ、レンジャーズ戦では2失点目の後にサポーターが歌うのをやめた。
 主力に不調や負傷者もいる状況ではあるが、ポルトは迷走し終わりのないトンネルに入り込んでしまったのか。今のところすぐに劇的な改善が望める要素はあまり見つからない。
「我々は4ポイントを持っていて、相手は7ポイントを持っている。残りの2試合に勝たなければいけないし、ELに向けて良い準備をしなければならない。だが、その前にすぐボアヴィスタとの重要な試合がある」
 コンセイソン監督は、これまで通り一戦必勝で戦い続けることを強調した。10日に予定されているボアヴィスタとのリーグ戦は、同じ街を本拠地にするクラブ同士のダービーマッチ。ここで不甲斐ない戦いを見せるわけにはいかない。
 代表ウィークによる中断前最後の試合で復調の兆しが見られるか。そして中島にチャンスは与えられるか。背番号10がポルトの救世主になるには、今しかない。
(取材・文:舩木渉【グラスゴー】)


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掲載元:フットボールチャンネル
URL:https://www.footballchannel.jp/2019/11/08/post346723/