川崎フロンターレの田中碧は、決まって帰るのが遅い。
 トレーニングを終えれば、そこからは自分の時間。カラダのケアや自主トレに励むことはあるとしても、シーズン途中、なおかつ連戦続きの状況ならば早く家に帰って休みたいと思うのが普通だろう。
 しかしながら、ひとり、またひとりと選手たちが家路につく中、いつになっても帰る気配を見せない。クラブハウスから出るタイミングはしばしば最後になることが多い。
 何をしているのかと言えば、話は簡単だ。
「筋トレです。ずっとやってはいるんですけど、やる時間が日に日に遅くなっていて。ただ、強くしたいという思いがあるので継続的にやっています。Jリーグだけでなく海外で通用するレベルの体になりたいと思っています」
 日々の積み重ねによって、より高いレベルの自分を作ろうと取り組んでいるのである。
トゥーロンでは優秀選手第3位に。 約1カ月前。田中は遠く離れたフランスの地で東京五輪代表としての一歩を踏んでいた。
 コパ・アメリカに多くの五輪世代が招集された中、トゥーロン組は“第2グループ”と言っていい状況ではあったが、田中にとっては初の招集。そこでも普段通りのプレーをすることだけを心がけた。
 果たして、ピッチでは誰よりも印象的なプレーを見せる。
 川崎Fで磨かれた“止める、蹴る”の技術を駆使して攻撃のタクトを振るい、チームを循環させた。
 また積極的な攻撃参加を見せて、準決勝のメキシコ戦では同点ゴールにつながる、クロスバー直撃のミドルシュートも放っている。第2戦・チリ戦を除く4試合に先発出場。大会の優秀選手第3位にも輝いた。


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掲載元:Jリーグ - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/840030