こんな試合が見たかったのだ。
 6月20日に行われたコパ・アメリカのグループリーグ第2戦で、日本はウルグアイと2-2で引き分けた。苦しみ抜いた末のドローゲームではない。世界のトップ・オブ・トップのチームと真正面からぶつかり合い、勝点1を獲得したのである。
 初戦が思いどおりにいかなかったチームは、2試合目に反発力を見せることがある。
 たとえば、2005年のコンフェデレーションズカップである。ジーコ率いる日本代表はグループリーグ第1戦でメキシコに逆転負けを喫したものの、ギリシャとの第2戦で1-0の勝利をつかみ、ブラジルとの第3戦に望みをつなげた。
 たとえば、2013年のコンフェデレーションズカップである。アルベルト・ザッケローニが指揮した日本代表は、開催国ブラジルと初戦で激突し、アウェイの雰囲気に呑み込まれて無抵抗のまま0-3で敗れた。不甲斐ない戦いに奮い立ったチームは、イタリアとの第2戦でスリリングな撃ち合いを演じた。
川島の正面を突いたスアレスのシュート。 ポルトアレグレのアレーナ・ド・グレミオは、ウルグアイから駆けつけたサポーターが圧倒的優勢を占めていた。3万3000人を超える観衆のほとんどすべては、日本が打ちひしがれることを望んでいる。チリと戦ったエスタジオ・ド・モルンビーとは異なり、ピッチとスタンドが近いので圧迫感もケタ違いだ。紛れもないアウェイである。
 試合の流れを決定づけたのは12分のプレーだった。
 CKからのカウンターで左サイドを突かれ、エディンソン・カバーニのクロスがゴール前のルイス・スアレスに渡る。ペナルティエリア内には日本の選手が帰陣していたが、相手の背番号9はフリーなのだ。
 ここで失点をしていたら、日本の選手たちはいきなり追い詰められたに違いない。しかし、スアレスのヘディングシュートはGK川島永嗣の正面を突く。
 危機は、去った。


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掲載元:サッカー日本代表 - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/839778