アリアンツ・アレナでの劇的すぎる最終節に、リーグ7連覇の偉業を達成したバイエルンの強みが集約されていた。
 試合前にラフィーニャとともに退団セレモニーを行なった“ロベリー”が後半途中からピッチに登場すると、チャンピオンズリーグ(CL)出場の可能性を残していたフランクフルトの希望を打ち砕く。72分にフランク・リベリーが、78分にアリエン・ロッベンがチームの4、5点目を決め、試合の勝利と優勝を決定づけてみせたのだ。
 やはり途中出場からリードを2点に広げるゴールを奪ったレナト・サンチェスを含め、バイエルンが見せつけたのは層の厚さ。この日はメンバー外だったハメス・ロドリゲスを含め、絶対王者には個の力で勝ち点3をもたらすタレントが控えにも十分に揃っていた。
 もちろん、得点王に輝いたロベルト・レバンドフスキ、尻上がりに調子を上げたトーマス・ミュラー、“ロベリー”の後継者として一本立ちしたキングスレー・コマンとセルジュ・ニャブリら、レギュラー陣のクオリティーは説明するまでもないだろう。
バイエルンとドルトムントの差は? ニコ・コバチ監督が観る者をアッと言わせるような戦術を採用していたわけではない。個々の圧倒的な力を引き出す組織の整備には時間がかかった。
 それでも基本システムを4-1-4-1から4-2-3-1に変えた昨年11月以降、“いつものバイエルン”に戻ることに成功。13勝3分1敗とほぼ無敵だった後半戦の快進撃に導いた。リバプールの軍門に降り、8強入りを逃したCLでの敗退が悔やまれるが、就任1年目のコバチはウルトラスの信頼を勝ち取っている。
 バイエルンに一時は勝ち点9差をつけての首位に立ちながら、デア・クラシカーでの大敗(第28節/バイエルンに0-5)やレビアダービーでの失態(第31節/シャルケにホームで2-4)が痛恨事となり、逆転優勝を許したドルトムントに欠けていたのが選手層だった。
 新戦力のFWパコ・アルカセルが最強の切り札として、1シーズンにおける途中出場後のゴール記録(12得点)を樹立したものの、前半戦はMVP級の活躍を見せたトップ下のマルコ・ロイス、リーグ屈指のウイングに成長したジェイドン・サンチョへの依存度がすこぶる高かった。
 そのロイスが負傷離脱、デア・クラシカーで沈黙、レビアダービーで一発退場と散々だった後半戦にチームが失速したのは偶然ではない。


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掲載元:海外サッカー - Number Web
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