清水エスパルスの低迷と同じく、悩める元北朝鮮代表FWがいる。鄭大世だ。
 12日のJ1リーグ第11節で、川崎フロンターレに0-4で敗れたあと、成績不振を理由にヤン・ヨンソン監督が退任。後任として篠田善之コーチが代行監督を務めることになったが、2勝2分け7敗で17位の状況から、脱出するための糸口を見つける作業が続く。
 チームの現状を物語るように、鄭大世もまた、もがき苦しんでいた。
 今季は先発出場が5試合、途中出場が4試合で2得点を決めているが、主力に入り込めない現実がある。清水に来て5シーズン目を迎え、年齢は35歳。全盛期と同じプレーをするのは難しいとはいえ、2016年に26得点を決めてJ1昇格の原動力となったときの活躍が目に焼き付いている人も多いはずだ。
 ただ、いい時の状態を長く保ち続けることほど難しいものはない。それは選手もチームも同じだろう。
 なぜチームの低迷が続いているのかについて、鄭大世に聞くと、こう答えが返ってきた。
「スタメンであまり試合に出てないのでそこは分かりづらいというか、正直、なんとも言えない部分があります。ただ、変な流れというのは確かにあるんです。内容がよくないのに勝ってしまうときもあれば、流れにうまく乗れないとどんどん順位を落としていってしまうように」
 チームの流れがよくない状態を肌で感じているからこそ、強い危機感を持っている。こちらが想像していた通りだった。
ツイッターでつぶやいた心境。 そんな最近の鄭大世の心境がよく見えたのが、自身の公式ツイッターでのつぶやきだった。
「豊田陽平のゴール涙出る。俺なんか比べ物にならんぐらい長い間苦しんどったけど諦めんけりゃその時は来るんだね。みんなそれぞれのドラマの中で生きとるね」
 サガン鳥栖FWの豊田陽平がJ1で623日ぶりのゴールを決め、第11節ガンバ大阪戦で3-1の勝利に貢献した。その姿に感銘を受けての発言だった。


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掲載元:Jリーグ - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/839326