今年1月、19歳の守護神の視線は、同世代のライバルに向けられていた。
「ガンバ大阪の谷晃生や、京都サンガの若原智哉に負けたくなかったんです」
 サンフレッチェ広島のGK大迫敬介は開幕に向けたキャンプの際、今季から就任した澤村公康GKコーチに思いを明かしたという。谷、若原、大迫はいずれも昨秋、今年のU-20W杯への出場権を懸けて臨んだAFC U-19選手権に招集されたGKだ。
 澤村GKコーチはキャンプでの大迫とのやり取りを、こう振り返る。
「U-20代表、東京五輪世代など、アンダーカテゴリーのGKを意識していたから、『どうしてA代表を意識しないの?』と言ったんです。グラウンドに出たら年齢は関係ない。権田修一や東口順昭、シュミット・ダニエル、中村航輔、そういう選手たちと戦っているのだから、『自分で目標を落とすことはない』と」
昨季までは公式戦出場ゼロ。 より上のレベルに視線を向けた大迫はその後、自分より年上で経験もある林卓人、中林洋次、廣永遼太郎を抑え、広島の正GKの座を勝ち取った。ユース所属の高校3年生だった2017年にプロ契約を締結して以降、昨季までの2年間は公式戦出場ゼロ。だが、今季はACLのプレーオフで公式戦にデビューすると、直後の開幕戦でJリーグデビューも果たし、第10節までリーグ戦フルタイム出場を続けている。
 開幕当初は時折、不安定なプレーも見られたが、試合を重ねるごとに安定感が増してきた。
「いくら練習で頑張っても、そこで成長する割合は1、2くらい。でも90分間の試合を経験すれば、8も9も伸びます。それを敬介は掛け算のようにできている」(澤村GKコーチ)
 実戦経験を積みながらの成長に、本人も確かな手ごたえをつかんでいる。
「どんどん課題が出てくるので毎試合、克服しながらプレーしています。試合を重ねるごとに『あのときと同じ感覚だな』という、似たようなシチュエーションの場面が増えてきて、最初は止められなかったものを、次の試合では何でもないように止められる感覚がある。それが自信につながっています」


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掲載元:Jリーグ - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/839264