このままフィニッシュできれば、クラブ創立112年目にして初となるCL(欧州チャンピオンズリーグ)出場権獲得だ。それがどれほどの偉業かは、数字が物語る。
 選手25人の今季の年俸総額は2700万ユーロ。日本円に換算するとおよそ35億円だ。イタリア・セリエAでもっとも年俸総額が高いユベントスの約285億円(2億1900万ユーロ)や、それに次ぐミランの約182億円(1億4000万ユーロ)とは比べるまでもなく、クリスティアーノ・ロナウド1人の年俸3100万ユーロにすら及ばない。
 そんなアタランタが、残り3節となったセリエAでCL出場圏内(4位以内)の4位につけている。
 イタリアでは地方の中小クラブをプロビンチャと総称するが、都市人口12万のベルガモを本拠地とするアタランタもプロビンチャであり、つまり通常はセリエA残留を第一の目標とするプロビンチャがシーズン終盤の35節を終えてなお、年俸総額が5倍以上のミラン(5位)よりも、4倍弱のローマ(6位)よりも上位につけているわけだ。
イタリアのアヤックスとの声も。 しかも、かろうじて踏み止まっているわけではない。上位に躍り出てから、さらに勢いを増している。
 4月22日の33節はナポリから2-1の逆転勝利を収め、5月5日の35節は同様にアウェーゲームで先に失点を喫しながら、3-1とスコアを引っ繰り返し、CL出場権争いのライバルだったラツィオを蹴落としている。
 3月以降、セリエAの10試合は7勝3分無敗(26節~35節○○△○○△△○○○)。前人未到のセリエA8連覇を余裕で決めたユベントスは同じ期間の10試合を6勝2分2敗、単独2位でCL出場権をすでに確保しているナポリは5勝2分3敗だった。
 ある意味で、現時点でのイタリア最強チームと称してもいいだろう。
 今季のCL決勝トーナメントで優勝候補のレアル・マドリーとユベントスを続けて倒し、ベスト4まで勝ち残っているオランダの伏兵とだぶらせて、「イタリアのアヤックス」と讃える声も聞こえてくる。
 3節を残すだけとなった現時点でのセリエAの勝点は3位インテルが63、4位アタランタが62、5位ミランが59、6位ローマが59、7位トリノが57となっている。35節の直接対決でアタランタに敗れた8位のラツィオは勝点55のままで変わらず、CL出場権争いからはほぼ脱落したと見ていいだろう。


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掲載元:海外サッカー - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/839227