3月14日、イタリア・ミラノのサン・シーロ。ヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16のセカンドレグ。インテルはフランクフルトをそのホームに迎えた。この日スタジアムを埋めた5万人近い観客のうち、15000人がフランクフルトのサポーターだった。
 キャプテンを務めた長谷部誠は「アウェーにこれほどのサポーターが来てくれることは普通ない」と、彼らの存在がいかに心強かったかを振り返る。
 ファーストレグをスコアレスドローで終えてのセカンドレグ。開始6分で奪ったゴールを守り切り、フランクフルトはベスト8を決めた。
 6分という長いアディショナルタイムを経て試合終了の笛が鳴った瞬間、フランクフルトの選手たちはピッチに座り込んだ。足を投げ出すその姿から、彼らの疲労と安堵感が伝わってくる。しかし長谷部は、歓喜に沸くという雰囲気ではなかった。感慨深げに勝利を味わっているようにも見えたが、後で聞くとそうではなかった。
 キャプテンは試合を振り返り、課題を感じていたのだ。
「これだけオープンなゲームになったら、もう少しゲームをコントロールしなくちゃいけなかった。攻め込んできた相手の裏にスペースが空いていたし、2点目が決まれば試合を決定づけられる。だから前の選手はもう1点が獲りたくてしょうがなさそうだった。でも、僕は攻める必要はないなと思っていました。
 もっとボールを回して、時間を使う戦い方でまったく問題ない。ただ周りにも言ったけれど、結果的にコントロールできなかった。試合が終わったらみんな倒れている。また日曜日に試合があるのに……。そういうところはまだまだ若いな、とやっていて思いました。それでも無失点試合が続いているし、守備面では手ごたえを感じている」
チームの中心で休む気はない。 続く3月18日のブンデスリーガ、ニュルンベルク戦も1-0と勝利。これでフランクフルトは今年に入って13試合負けなし、そして公式戦4試合連続無失点。チャンピオンズリーグ出場圏内の4位との勝ち点は1差、3位とも3差まで迫って代表ウィークを迎えた。
 好調のチームで、長谷部は時にはリベロ、時にはボランチとしてプレーしている。そして3月7日のELインテル戦で鼻を骨折したにもかかわらず、出場し続けているのだ。
「ポジションの部分もあると思うんですね。リベロだとそれほど運動量が多くない。監督から『連戦だから1試合くらい休むか?』と聞かれたんですけど、休む気はなかった。
 今は自分がチームの中心でやっている感覚がある。だから休んではいられないし、休まずに試合をやりたいとも思っている。監督からの信頼も感じている。ドイツへ来てから、自分がここまで中心になるというのはなかなかなかった。やり甲斐をすごく感じています」


※海外サッカーのランキングをチェック♪

掲載元:海外サッカー - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/838663