アジアカップが開幕した。5度目の優勝を懸けて挑む日本は、初戦トルクメニスタンと対戦、3対2の辛勝ながら勝ち点3を手にした。
 すでに予告したように、当連載『ワインとシエスタとフットボールと』では、大会期間中にイビチャ・オシムとフィリップ・トルシエのインタビューを不定期に掲載する。ロシア・ワールドカップ同様に、ふたりの元日本代表監督に主に日本の戦いぶりを語ってもらうのが狙いである。
 その第1回として、フィリップ・トルシエがトルクメニスタンを語る。日本が逆転勝ちを収めた試合をトルシエはどう見たのか。
 試合直後に話を聞いた。
思い出した、2000年のウズベキスタン戦。――日本が勝ちましたが、大会の初戦は常に難しいのではないですか?
「そうだが、この試合は日本にとって難しい試合といえるものではなかった。今日の試合を見て、私は2000年アジアカップのウズベキスタン戦(8対1で日本の勝利)を思い出した。同じ種類の試合だと感じた。
 というのもウズベキスタンもトルクメニスタンも、どちらも選手は素晴らしい。ボールを持って攻撃したときには日本よりも優れていた。彼らは個人の力で違いを作りだせた。テクニックがあるからボールを持って攻め上がれる。
 しかしボールを持たないときに守備の強さを欠いていたしディシプリンも足りなかった。だからウズベキスタン戦と同じ気持ちになったわけだ。
 レバノンで対戦したウズベキスタンは素晴らしいチームだったが、残念ながら守備の強さがなかった。彼らには攻撃しかなく、ボールを保持したときにのみ強さを発揮した。ボールのないときには引いて守ったが、決して強固ではなかった。日本にとっては簡単な試合だったが、相手が素晴らしいチームであるのも間違いなかった。
 しかし……今日の日本が手こずったのも確かだった。初戦の固さもあり、チームはちょっと動きが鈍かった。とりわけ前半はそうで、慎重にゲームを進め過ぎた。決していいスタートではなかった」


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掲載元:サッカー日本代表 - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/833160