ジャカルタから南へ車で1時間半ほどにあるボゴールは、地元では保養地として知られる。確かに首都ほど蚊も多くない(少ないわけではない)が、夜でも歩くだけで汗が噴き出し、ミネラルウォーターを手放せない。「カメラ機能が現在高温のため利用できません」というスマホの表示も初めて見た。
 インドネシア国内にいれば少なからず違いは感じるが、五十歩百歩だ。
 11月1日、U-19日本代表が0-2で敗れたU-19アジア選手権準決勝のサウジアラビア戦。日本は初戦から14日目にして5試合目を数えていた。
 21時20分頃に試合終了の笛が吹かれると、日本の選手が次々とピッチに倒れ込み天を仰いだ。一方、サウジアラビアの選手はピッチにキスをして歓喜と感謝の祈りを捧げる。
 その中を、ラストプレーのFKを得たチャンスを作った久保建英(横浜F・マリノス)が深く考え込むように前だけを見つめ、ゆっくりセンターサークルへ向かって歩いていく。
「PKではないかと」主審に確認。 誰よりも先に整列すると、久保より体が二回りは大きな主審に言葉を掛けた。最後にFKを得たファウルの位置がペナルティエリアに入るかどうか微妙だったので、「PKではないかと思ったんですが……」と確認したという。そのように英語で審判や相手選手、さらにインドネシアや海外メディアともコミュニケーションをとっていた。
 久保が「KUBO」としてこの大会、いろいろなところで注目を集めた所以の1つだ。
 準々決勝のインドネシア戦は2-0で勝ち、日本は来年ポーランドで開催されるU-20W杯の出場権を獲得した。今大会の最大の目標でありノルマは達成した。
 ただ、彼らはそれだけで満足することはない。準決勝はより強い相手と試合ができるチャンスでもある。しかも直前の試合で、カタールを下した韓国が先に決勝進出を決めていた。勝てば日韓によるファイナルという機会も待っていた。
 しかし日本代表は、今大会初めて試合開始から採用した3-4-3がハマらず、5-4-1のような引き気味の布陣になってしまい、前に出ていけない。そのアンバランスな態勢を突かれ、前半だけで2失点を喫してしまった。


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掲載元:サッカー日本代表 - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/832422