みなさん、こんにちは。スポーツライターの二宮寿朗です。
 サッカー日本代表、10月の親善試合(12日パナマ戦=新潟、16日ウルグアイ戦=埼玉)のメンバー23人が発表されました。NumberWeb編集部から「今回の選考を、池上彰さんのように分かりやすく解説してください」というリクエストがありまして、編集部からの「3つのお題」に応えていく形で進めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
お題1「安倍首相は第四次改造内閣を『全員野球内閣』と命名したように、9月に続く森保ジャパン“第2次選考”を命名してください」
 いきなりド難しい質問です。簡単に申せば「初陣活躍組とロシアワールドカップ主力組の融合選考」だと言えます。構成は9月のコスタリカ戦でインパクトを残したメンバーが中心。南野拓実、中島翔哉、伊東純也、遠藤航ら25歳以下の若い選手のみならず、青山敏弘や小林悠ら30オーバーの選手も引き続き招集されています。
 ここにロシアワールドカップで主力を担った長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹、柴崎岳、原口元気、そして大迫勇也の6人が組み込まれました。森保一監督は「チームにどういう化学反応が起こるか見たい」と話しています。
 森保監督が頭に描くプランを粛々と進めている、という印象です。1月のアジアカップまでに9、10、11月と3度の招集機会があります。欧州組の代表主力はシーズン開幕や移籍もあって、9月は彼らを呼ばないという判断だったと理解しています。
 10月、11月にいろいろとミックスしてアジアカップに臨むものと考えます。敢えて命名するなら「フレッシュミックスジュース選考」ですかね。
お題2「ロシアワールドカップで活躍した乾貴士、香川真司、川島永嗣の名前が今回、漏れています。彼らは森保ジャパンの構想外なのでしょうか?」
 構想外ではないと思います。森保監督はロシアワールドカップでコーチを務めており、彼らの実力はよく分かっています。
 まず川島はフランスのストラスブールに移籍しましたが、ここまで出場機会がありません。35歳というベテランですし、無理して招集するよりはこの先守護神を託せる存在に代表の試合経験を積ませたいと森保監督は考えているのではないでしょうか。
 東口順昭はこれまで6キャップ、権田修一は3キャップ、シュミット・ダニエルは0キャップ。今回は1試合ずつ交代させる可能性もあると思います。
 そして乾、香川が外れたことについては、コスタリカ戦で南野、中島、伊東、堂安律ら若手アタッカーが良かったことも無関係ではないと思います(個人的には天野純も良いパフォーマンスだと思っています)。
 まずは若いアタッカーとロシアW杯の他メンバーの「化学反応」を見たうえで、11月のメンバーを判断するということではないでしょうか。乾は30歳、香川は29歳。特に乾は移籍したベティスでもすっかり欠かせない存在になっています。彼らはいつ呼び戻してもアジャストしてくれるという思いもあるのでしょう。
 今回の対戦相手、パナマ代表とウルグアイ代表はロシアワールドカップに出場しています。特にウルグアイ代表はベスト8に進み、世界ランク5位の強豪。
 ルイス・スアレス、エディンソン・カバーニの2トップをはじめ、ディエゴ・ゴディン、ホセ・ヒメネスのアトレティコ・マドリーコンビなどベストメンバーをそろえてくれました。ライプツィヒで評価を高める20歳のサイドバック、マルセロ・サラッチが初めてA代表に招集されたことも楽しみです。
 そして彼らはいつも手を抜くことなく、対峙してくれます。日本は'13年8月の対戦で2-4、翌年も0-2で敗れています。彼ら相手にどこまでやれるのか。もし日本のアタッカー陣が簡単にはね返されるようなら乾、香川は11月のメンバーに入ってくるのではないでしょうか。


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掲載元:サッカー日本代表 - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/832051