バイエルンが「ミニ・クライシス(やや危機)」だそうです。
 今季、ニコ・コバチ監督が就任してからはブンデスリーガ、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)、DFBポカール(ドイツ杯)で連勝を続け、「やっぱり今季もバイエルン」と誰もが唸るような強さを見せつけてきましたが、9月下旬に突如勝てなくなったのです。
 リーガ第5節のアウクスブルク戦ではアリエン・ロッベンのゴールで先制しながら試合終了間際にマリオ・ゲッツェ(ドルトムント)の弟にして、今季バイエルンから移籍したDFフェリックス・ゲッツェの胸トラップゴールで同点に追いつかれました。
 続いて第6節、ヘルタとのアウェー戦ではベダド・イビセビッチのPKとオンドレイ・ドゥダにゴールを許して0-2で敗戦。リーガ首位の座をドルトムントに明け渡しました。
 さらに、ミッドウィークのCLグループリーグ第2節、ホームのアヤックス(オランダ)戦では試合開始早々にDFマッツ・フンメルスのヘディングで先制したものの、前半のうちに同点に追いつかれて引き分け。こちらも同勝ち点ながらグループリーグ首位の座をアヤックスに譲り、3位ベンフィカ(ポルトガル)が勝ち点1差で迫っている状態です。
無敵のはずのバイエルンが苦戦。 目下リーガ6連覇中。過去5年でドイツ杯を3回制覇。CLは2012-2013シーズンの優勝を最後にタイトルから遠ざかっていますが、過去5年4回ベスト4に進出しており、世界屈指のビッグクラブとしての名を轟かせているバイエルンが、苦しんでいます。
 ドイツ国内では、ほぼ敵なし。昨季は4敗を喫しましたが、2年前と3年前はリーガで2回しか負けませんでした。だから、昨季ドイツ杯決勝でフランクフルトがバイエルンに勝利して、30年ぶりに同タイトル獲得を果たしたときはお祭り騒ぎとなりました。
 フランクフルト中心部のレーマー広場に全市民が集結したのではないかと思うくらいの人が集まり、盛大なセレモニーが開催されたのは記憶に新しいところです。 
 僕の住むフランクフルトのサッカーファン及びフリークは、バイエルンが直面する苦境を見てホクホク顔です。「遂に“バイエルン王国”崩壊の時が来た!」とばかりに酒場でビールを飲み交わし、ついでにフランクフルトがハノーファーに圧勝して喜び倍増。しかし今季のバイエルンは、本当にこのまま堕ちていくのでしょうか……。


※海外サッカーのランキングをチェック♪

掲載元:海外サッカー - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/832045