クリスティアーノ・ロナウドはレアル・マドリーとの関係が悪化しユベントス移籍を決断【写真:Getty Images】
 この夏、サッカー界を騒がせたクリスティアーノ・ロナウドのユベントス移籍。レアル・マドリーと相思相愛と思われていたスーパースターの電撃的な移籍がもたらした衝撃は小さくなかった。
 その内幕にあった水面下での動きの詳細を、スペインの一般紙『エル・ムンド』が報じて物議を醸している。
 発端はC・ロナウドに対してかけられた脱税疑惑だという。2011年から2014年にかけて肖像権使用料による収入をタックスヘイブン(租税回避地)に逃がしていたとして、スペイン当局に脱税を告発された。
 しかし、それは本人の意図したことではなく、2017年5月11日に代理人のジョルジュ・メンデス氏や顧問弁護士ら関係者を集めたミーティングで、C・ロナウドは激怒したとのこと。
「誰がこの件で全ての責任を負うんだ? ドクター、僕は全てのリスクを望まないと言ったじゃないか!」
 ここで「ドクター」と呼ばれているのは、C・ロナウドの顧問弁護士を務めるカルロス・オソリオ氏。スーパースターの怒りは、自分の望まない形で、そして知らないところで脱税が行われていたことに向けられた。
「僕には教養がない。僕はフットボールをプレーすること、人生でそれだけをやってきた。僕も馬鹿なではないし、誰も信じてこなかった。それがコンサルタントを雇うにあたって、要求額の3割増しで報酬を支払ってきた理由で、僕はあらゆる問題を望まない」
 C・ロナウドは肖像権使用料に関わる収入にかかる税金をごまかす意思はなく、それがスポンサーによって支払われているものだと理解していたという。だからこそ、自らが批判されることが許せなかったのだろうか。
 オソリオ氏は「クリス、責任は私が負う。落ち着いてくれ。全てがうまくいくよう、この問題に関して最後まで戦っていく」と応じ、その場を収めた。結局C・ロナウドは7月に1880万ユーロ(約25億円)を支払って騒動を収拾した。
 だが、ここで溜まっていたマドリーへの不満も爆発した。リオネル・メッシが脱税疑惑を問われた際にバルセロナがその支払いを負担したように、C・ロナウドが同様の対応を求めても、マドリーは要求を突っぱねたという。
 さらにバロンドールを5回受賞し、チャンピオンズリーグ3連覇に貢献、さらにクラブの歴代最多得点者にもなった自分に対して、クラブからのリスペクトが足りないとも訴えていたと『エル・ムンド』紙は伝えている。それはバルサでのメッシ、パリ・サンジェルマンでのネイマールが受け取っている給与の額に比べて自分がマドリーから受け取っている額がはるかに少ないことなど、複数の理由が絡んでいる。
 ジネディーヌ・ジダン監督もロッカールームでこの話題を頻繁に口にするC・ロナウドの態度を見かね、クラブに解決を求めていたようだが、結局は解決されないまま決別することになってしまった。「C・ロナウドの『隠された』真実」と題して報じられたユベントス移籍の内幕は、誰もが想像していた以上に悪化していたクラブとの関係を浮き彫りにする結末となった。


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掲載元:フットボールチャンネル
URL:https://www.footballchannel.jp/2018/10/01/post291409/