9月前半が終わり、今シーズン最初の国際Aマッチウィークも終了した。イングランドにとっては1990年以来の準決勝進出に沸いたW杯後、初めての代表戦。
 しかしスペイン、スイスとの2試合は、ロシア大会中に母国民が合言葉のように口にした「フットボール・イズ・カミング・ホーム」にあやかると「リアリティ・イズ・カミング・ホーム」とでも言うべき試合だった。
 今夏に代表への誇りと希望を取り戻したポジティブさは消えていない。それでも人々は、2022年W杯優勝によるイングランド復活という目標が、いかに遠いものであるかを痛感させられたのではないだろうか。
 熱かった夏が終わり、そこで目にした「現実」は、珍しく9月に入っても晴れ間が多いものの、朝夕は暖房が欲しくなるほど肌寒いイングランド初秋の気候にも似ている。
スペイン相手の妥当な敗戦。 厳しい現実は、9月8日のスペイン戦で(1-2)で明らかとなった。
 スペインはイングランドとは対照的に、ロシアW杯では期待外れのベスト16敗退。一時代の終焉と同時に監督交代に踏み切ったが、後方からのビルドアップ、ポゼッション、ボールロスト直後のプレッシングで、ガレス・サウスゲート体制で攻撃姿勢を強めるイングランドを上回った。
 イングランドは開始早々にマーカス・ラッシュフォードのゴールで先制したものの、後半アディショナルタイムに同点ゴールが無効にされる不運もあった。ただ試合内容を振り返ると、妥当な敗戦だったと言える。
 今シーズンから始まったネーションズリーグは、国際大会風のメイクアップが施された親善試合とはいえ、形式的には勝ち負けに意味のある公式戦だ。その初戦での黒星は、イングランドにとってはロシアW杯準決勝クロアチア戦、3位決定ベルギー戦に続く公式戦3連敗を意味した。


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掲載元:海外サッカー - Number Web
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