マンチェスター・シティとチェルシーに敗れ、ウェストハムとカーディフには勝利を収めた。第4節を終えて2勝2敗。新生アーセナルはまずまずのスタートだ。よくもなければ、絶望的になるほど悪くもない。
 4試合とも守りの脆さが目立ったものの、それはアーセン・ベンゲル前監督が22年にわたって手をつけなかった懸案である。新任ウナイ・エメリ監督が、一朝一夕にして解決できる問題ではない。
 ただ、メンバーは一考する必要がある。
 バレンシア、セビージャ、パリSGと、エメリは最後方から丁寧につなぐスタイルを身上としてきた。だが、GKペトル・チェフにビルドアップのセンスはない。しかも、昨シーズンから足の運びが悪くなり、守備範囲もすっかり狭くなった。明らかに衰えている。
 なぜ、ベルント・レノを起用しないのだろうか。シュートストップでチェフを上まわり、つなぐ技術も申し分ないのだから、すぐにでも正GKを交代すべきだ。
マブロパノスを抜擢してみては? シュコドゥラン・ムスタフィ、ソクラティス・パパスタソプーロスは、つなげるCBではない。両選手ともプレスをかけられるとおどおどし、タッチに逃げるか、マークされている味方に無責任なパスを送るかの二択である。
 せっかくの新チームなのだから、思い切った人選を試みてはどうだろうか。コンスタンティノス・マブロパノスである。21歳の有望株で、フィードに定評がある。昨シーズン第37節のレスター戦で一発退場の愚を犯しているため、今シーズンはベンチ入りさえできていないとはいえ、エメリのスタイルに適しているはずのCBだ。
 アキレス腱を負傷しているローラン・コシェルニーは、11月まで復帰できない。だからこそエメリは、やむをえずムスタフィとソクラティスを優先せざるをえなかった。
 まして後者は、強化部門の責任者であるズベン・ミズリンタットが獲得している。無益な争いはまだ避けたい。しかし、自分のスタイルにこだわるのであれば、将来性も含めてマブロパノスを抜擢すべきだ。

掲載元:海外サッカー - Number Web
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