『フランス・フットボール』誌8月14日発売号は、その前週末に開幕を迎えたプレミアリーグを大々的に特集している。新シーズンの焦点になる20のトピックスやユルゲン・クロップのロングインタビュー、グアルディオラとモウリーニョのライバル関係などに加え、アーセン・ベンゲルが去りウナイ・エメリのもと不安を抱えながらも新たなスタートを切ったアーセナルにも誌面を割いている。
 同時に同誌は、22年間の長きにわたりアーセナルを指揮したベンゲルの今も取り上げている。今後の身の振り方についてまだ何も言及していないベンゲルは、これからの人生をどう過ごそうとしているのか。フィリップ・オクレール記者がレポートする。
監修:田村修一
穏やかな時を過ごすベンゲル。 アーセン・ベンゲルが今年のような夏を過ごすのは初めての経験である。
 リーグ・アンのナンシーで監督の仕事をはじめた1984年以来、彼にとって夏のバカンスは次のシーズンの準備に他ならなかった。
 アーセナルに来てからは、それはほとんど儀式化していると言っても過言ではなかった。イタリアでの休養の後、オーストリアの合宿を経て各地を回る。だが、それも今は昔の出来事である。
 今も、68歳という年齢をほとんど感じさせない。
 気持ちは常に溌剌として細身の体形を保ち、サッカーへの情熱はいささかの衰えもない。
 監督としての生活に別れを告げることなど、まったく考えたことがないのだった。
 とはいえ仕事をいつ再開するのかわからないままに、時間は容赦なく過ぎていく。その過ぎゆく時間、これまでの人生とはまったく異なるリズムでゆったりと流れる時間に浸れることに、彼は喜びを感じている。
 それは修道士のような禁欲的なイメージを身に纏ったベンゲルが、はじめて経験する人生の異なる側面の真実であった。

掲載元:海外サッカー - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/831751