ロシアW杯からふた月と経たないのに、欧州では今週、代表チームの黄金カードが予定されている。2014年と2018年の世界王者、ドイツとフランスが激突するのだ。しかも真剣勝負である。
 これは今季から隔シーズンで開催される『UEFAネーションズリーグ』の一戦だ。代表戦の価値を高めるために新設されたコンペティションである。
 かねてより欧州では、代表チームのフレンドリーマッチの意義が疑問視されていた。どれほどの好カードであろうと、そこに何も懸かっていなければ、意味を見出しにくい。それがマイナー国同士であれば関心はより薄くなり、観客を集めるのにもひと苦労するような状況にあった。
 また近年はチャンピオンズリーグやプレミアリーグの隆盛により、人々のフットボールへの欲求は、白熱するクラブレベルでほぼ満たされるようになっていた。ビッグクラブの方がクオリティーに優れ、移籍動向は常に大きな興味を引く。
 そして多くのクラブの監督は、代表の親善試合に所属選手が呼ばれることを好まない。大事な選手が実りの少ない試合で怪我でもされたら困るからだ。選手たちも覇気のない姿を見せることがままあり、ファンの足も次第に遠のいていった。
 W杯やEUROのような主要大会が近づかない限り、代表戦線に興味が湧かない。当然といえば、当然の反応かもしれない。
EUROとW杯のない年も本気の勝負を。 UEFAはこの状況を深刻に受け止め、7年ほど前から議論を重ねてきた。そして2014年3月の総会で、ネーションズリーグの発足が満場一致で可決された。その記念すべき第1回大会が、今週のインターナショナルマッチウィークから始まるのだ。
 主旨はW杯とEUROのないシーズンにも本当の勝負を重ねて、欧州最強国を決めること。大会のフォーマットは次の通りだ。
 まずUEFAに加盟する55協会の代表チームが、UEFAランキングによってA~Dの4レベルのリーグに分けられ、各リーグのなかでさらに4つのグループに振り分けられる。最上位のリーグAと次点のBには12チーム、リーグCには15チーム、リーグDには16チームが属し、それぞれに3、4チームで構成される4グループが出来上がる。

掲載元:海外サッカー - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/831808