森保一監督がアジア大会の目標として掲げるベスト4まであとひとつ――。
 しかし、21歳以下の若き日本代表の前には、決して低くない壁がそびえ立つ。
「映像を見てビビるというか、凄いなと思ったので、だいぶリスペクトしている部分はあります」
 8月27日の準々決勝の相手、サウジアラビアの印象についてそう語ったのは、3バックの中央を務める立田悠悟(清水エスパルス)である。
 立田が恐れを抱くのも無理はない。サウジアラビアはラウンド16で中国を4-3で下している。スコアを見れば大接戦だが、実際には後半半ばまでサウジアラビアが4-0とリードし、油断したゲーム終盤に追い上げられたゲーム。全体を通してみれば、サウジアラビアの攻撃力が際立っていた。
 なかでも強烈な存在感を放つのが、ワントップを張る9番、ムサ・カマラである。
前戦ではハットトリックのFWカマラ。 カマラの公式記録にはなぜか身長が記されていないのだが、おそらく190センチ近い本格派のストライカーで、ラウンド16では中国の屈強なDFをモノともせずにハットトリックを達成している。
「打開能力があって、スピードもテクニックも身体の強さもある」とは森保監督のカマラ評だ。指揮官は警戒心を強めたうえで、カマラ対策について明かした。
「彼に気持ち良く仕事をさせないようにしないといけない。中盤には彼にパスを出せる選手、時間とスペースがない中でボールを受けてボールを動かし、配球できる選手がいるので、9番に出る前にしっかり止められるように。球際のバトル、しつこくやりながら、勇気をもって攻撃に関わってゴールに向かっていってほしい」

掲載元:サッカー日本代表 - Number Web
URL:https://number.bunshun.jp/articles/-/831721