アジア大会男子サッカー決勝が1日に行われ、U-21日本代表はU-23韓国代表に延長戦にもつれ込む死闘の末に1-2で敗れ、銀メダルに終わった。
 インドネシアの地で勇敢な戦いを見せた東京五輪世代の戦いぶりを、ワールドカップを6大会取材し、“アジアサッカー通”としても知られる英国人ジャーナリストのマイケル・チャーチ氏が総括。招集からの約3週間で、寄せ集めチームを戦える集団にまとめ上げた森保一監督の手腕を称賛している。
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 アジアサッカーで伝統の一戦と言える日韓対決の決勝戦で、日本は延長戦の末に惜しくも敗れてしまった。120分の死闘を演じた末の無念の敗戦となったが、森保監督は敗戦直後の悔しさが消えた後は、勝利者のような感慨を抱くのではないだろうか。
 銀メダルに終わったが、森保監督がインドネシアで成し遂げたことは称賛に値すると思う。なぜなら、この若いチームを3週間足らずの活動期間で一つにまとめ上げたのだから。
 森保監督には制約があった。招集できるのは、Jリーグ各クラブから最大一人のみという条件のなかでメンバーを選んだが、チームは大会序盤、連動性を欠いていた。
 それに引き換え、U-21世代の日本よりも年代が一つ上のU-23韓国代表は、ロシア・ワールドカップ(W杯)メンバーを4人も擁していた。オーバーエイジ枠として参戦したA代表エースのFWソン・フンミン(トットナム)と守護神のGKチョ・ヒョヌ(大邱FC)、そしてU-23世代のイ・スンウ(ヴェローナ)とファン・ヒチャン(ザルツブルク→ハンブルガーSV)だ。さらに負傷によりロシアW杯直前に離脱したDFキム・ミンジェ(全北現代)もいた。
 そんな大会屈指の“タレント軍団”は、兵役免除という特権を獲得したいという情熱に突き動かされており、開幕前から金メダル最有力候補と目されていた。
 一方の森保監督は、今大会の約3週間にわたる指導によって、選手の著しい成長を促すことに成功した。ディフェンス面の組織作りは素晴らしかったが、個人的に名前を挙げたいのは上田綺世(法政大)だ。


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